清少納言も愛読?幻の平安文学『梅壺の大将』について考察してみた (3/3ページ)

Japaaan

女御たちの寝起きする梅壺で、大将が何をするのでしょうか。何かスキャンダルでもあって、それをモデルに書かれた物語か、とも思いましたが、そういう他人の色恋(ゴシップ)ネタを、あの(サバサバを絵に描いたような)清少納言が好むとは思えません。

(よほど文学的に優れているならともかく……いや、所詮フィクションと割り切った上でなら、そういうネタも気分転換に楽しんだのかも知れませんが)

もしモデルとなる実話がないとしたら、あえて主人公の設定を武官とした理由は何でしょうか。あんまり粗暴な話は好まなそうですが、女性たちを脅かす物怪(もののけ)をカッコよく退治するヒーロー物語かも知れません。

「みんなから兎角ガサツっぽく言われている私だけど、こんなステキな大将に助けられてみたいなんて思うことだってあるんだから……」

日ごろの言動から、あまり男性そのものに期待していなかった(ように見える)清少納言ですが、彼女の(イケメンから大切にされたい)密かな願望を叶えてくれる物語だった可能性もあります。

「そりゃあ私だって……」もっと詳しく感想を書いておいて欲しかった(イメージ)。

結局のところ、いくら考えてみたところで『梅壺の大将』の本文が見つからない以上、どこまでも想像の域を出ないのですが、少なくとも清少納言を魅了する(特筆させる)ほどに高い文学性の物語であったことは間違いないでしょう。

もし『梅壺の大将』本文が発見されたら、是非とも読んでみたいですね!

※参考文献:
大庭みな子『現代語訳 枕草子』岩波現代文庫、2014年2月
萩谷朴『枕草子解環』同朋舎出版、1983年10月

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

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