あの素晴らしい〈フォークソング〉をもう一度<岸田敏志「きみの朝」>売れたきっかけは十朱幸代とのラブシーン (2/2ページ)
その場面がドラマに使われ、社長役の十朱さんが「吾郎ちゃんが出てる!」とリアクションするところまで、そのままでした。
──実際、すごい勢いでチャートを駆け上がりましたね。そして作詞が、吉田拓郎の「旅の宿」や森進一の「襟裳岬」で知られる岡本おさみというのも意外な組み合わせで。
岸田 岡本さんも作詞家仲間に「英語の歌詞を使ってる」と驚かれたみたいです。実は、ドラマの脚本家の岡本克己さんがお兄さんで、その縁から作詞に決まっていました。
──小学生まで「モーニンモーニン」と歌っていましたね。
岸田 ドラマではあの歌をうまく歌えず、吾郎がレコーディングから逃げ出す場面があるんです。その感情をわからせるために、十朱さんが一度だけベッドをともにして‥‥。朝を迎えると、部屋が白く包まれて「モーニンモーニン」と歌が重なる。
──いい場面ですね。
岸田 あのドラマ自体が曲のプロモーションビデオみたいだと言われました(笑)。でも、ヒットしたのは確かに「チームの力」だったんでしょうね。その直後に始まった「3年B組金八先生」も、僕に主役のオファーがきたんですが、事務所はツアーのスケジュールをびっしり組んでいた。それで同じ事務所の武田鉄矢さんがやることになったんですよ。
──奇妙な巡り合わせですね。その後継となる「1年B組新八先生」(80年)では、晴れて教師役を演じて、さらに92年からは「ミス・サイゴン」など、ミュージカルでも活躍されています。
岸田 本田美奈子ちゃんと一緒だったんですが、僕も彼女もミュージカルの発声を教わるところから始まりました。最初の舞台は、稽古を入れたら2年半がかりで、そのことが今も血肉になっていますね。