キングオブコント 2013年王者かもめんたる・岩崎う大が語る「志村さんのディフォルメの凄み」

日刊大衆

志村けん
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 みんな大好き志村けん氏。今回、本誌では「女性」という観点から氏を検証。といっても、下衆雑誌と一線を画す我々、スキャンダルな下半身ネタには目もくれず、「ネタにおける女性の役割」にのみ着目。そこから見えてきたものとは?

――う大さんは志村さんの演技のうまさをどう見てますか?

 攻めも受けも両方できる方という印象が強いですね。

――「攻めと受け」は「ツッコミとボケ」とは違うんですか?

 役割としてはそうなのかもしれないけど、例えば加藤茶さんのボケをリアクションで返すことが「受け」で、志村さんはそれが上手なんです。

――ひとみばあさんをはじめとした“女形”としての志村さんはどうでしょう。

 ディフォルメがうまいですよね。おばあさんの形態模写がうまくて、そこに志村さんのオリジナリティを加えている。僕たちがコントで女性を演じる時の、ここはあえて“ふざけ方”と言わせていただきますけど、その表現は志村さんをイメージしているんです。

――志村さんがひな形を作った。

 志村さんに言わせたらもっと前からあるものなのかもしれないけど、僕たちにとっては志村さんが教科書になっています。「いそうだな」と「いねぇだろ」のバランスが絶妙で、ずっと見ていられる。志村さんがその人物になり切っている、憑依させているということだと思うんです。

――志村さんには、ひたすら切ないコントもあります。

「人間を描きたい」という想いがあったと思うんです。そうなると「笑えるだけの人生じゃないだろう」となっていくんじゃないでしょうか。

■志村のすごさとは

――う大さんがコントをやるうえで、志村さんのように演じることの難しさはありますか?

 志村さんの何がすごいって、気持ちよく演じていることが大勢の人の心を打つ面白さにつながっているところなんですよ。自分だけが陶酔して、大衆の共感を得ないことは往々にしてありますから。僕たちはそこを目指してやっているんです。

――かもめんたるのコントは男女のネタが多い印象がありますが、演出のこだわりはありますか?

 そこに「女性だから」というのはなくて、「リアルかリアルじゃないか」という視点で演じています。

――確かにかもめんたるのコントはリアルとファンタジーの振れ方が面白いです。

 リアルからグラデーションを狂わせていって、その先にある“ヘンテコリンな世界”にリアリティを持たせることが僕たちのやり口なので、そこは大事にしているところですね。

――「笑い」に対するストイックな姿勢は志村さんと、う大さんに共通しているんじゃないかと感じます。

 そう思っていただけたらありがたいです。志村さんは「変なおじさん」「変なおばあさん」を演じることが好きだったはず。僕もそう。これからも「『変な人』がいる世界」を表現していきたいです。

PROFILE 岩崎う大 いわさきうだい。1978年、東京都生まれ。お笑いコンビ・かもめんたるとしてだけでなく、近年は劇団かもめんたるとしての活動も活発。2020年から2年連続でその本公演での戯曲が、岸田國士戯曲賞候補に挙がっている。主な著作に『マイデリケートゾーン』(小学館)他。

(EX大衆4月号「志村けんと女性たち」岩崎う大)文●大貫真之介

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