大正15年に制作された日本初の実験的ホラー映画「狂つた一頁」

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大正15年に制作された日本初の実験的ホラー映画「狂つた一頁」
大正15年に制作された日本初の実験的ホラー映画「狂つた一頁」

credit:A Page Of Madness - 1926

 1926年(大正15年)、日本初の実験的ホラー映画が公開された。『狂つた一頁』は、当時の映画監督で俳優だった衣笠貞之助が、横光利一や川端康成などの新感覚派の作家と結成した「新感覚派映画連盟」の第1回作品で、作無字幕のサイレント映画だ。

 精神病院が舞台で、狂人たちの幻想と現実が実験的な映像表現で描写されている。その全編がYoutubeに公開されており、最近海外サイトで注目を集めていた。 

A Page Of Madness - 1926

・狂人たちの幻想と現実が交錯する「狂つた一頁」

 主演は井上正夫で精神病院で働く小間使い役を、その病院に入院している妻役を中川芳江が演じている。

 自分の虐待のせいで精神に異常をきたし、入院している妻を見守るため、元船員の老いたその男はその病院で小間使いとして働いている。

 男の娘は、母に結婚の報告をするため精神病院を訪れ、父親がここで小間使いをしていることを知る。その後物語は、男の幻想と現実が交差しながら進んでいく。 
 
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 「狂つた一頁」は、革新的なドイツのサイレント映画『カリガリ博士』(1920年)にインスパイアされた作品と言われているが、日本人固有の家族観が入れられるなど、独自の工夫があるという。

 その映像表現も、激しいフラッシュバックや多重露光、明暗コントラスト、オーバーラップなど、斬新の技法が駆使され、実験的な試みが行われており、日本初のアバンギャルド映画と言われている。

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