路上をさまよっていた捨て犬は、藁をもつかむ思いでカップルの後をついて行った。その姿に心打たれたカップルは...
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路上をさまよっていたその犬は、とても人懐っこく誰かに飼われていたことがあったのかもしれない。ずっと愛に飢えていたようで、やさしく接してくれた1組のカップルの後をずっとついていった。
カップルが家につくまで懸命に後をついてくる。その姿に心打たれたカップルは、犬を家族の一員として迎え入れることに決めた。
実は、このカップル、ブルガリアの路上で暮らす犬猫たちを少しでも多く救うため、動物保護施設を建てる夢を持った動物好きな2人だったのだ。
Abandoned Puppy Followed Us Home And We Let Him In
・人懐っこい野良犬が、ずっと後をついてくる
ブルガリアには、10万匹以上の野良犬や野良猫が路上をさまよっているという。だが政府は、動物保護に積極的に取り組んではおらず、国や自治体で運営している施設はほとんどない。
そこで、民間、あるいは個人の動物保護団体のボランティアたちは、野良状態の犬猫たちの救助と保護に毎日奔走している。
ストーヤンさんとデッシーさんも、その仲間だ。ある日、2人は買い物に出た先で、1匹の犬に出会った。
まだ子犬と見られるその犬は、飼い主に捨てられたのだろう。かなり人馴れしている様子で、2人に近寄ってくると尻尾を振り、撫でてやるとすごく喜んだ。
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カップルは、犬が空腹ではないかと思い、数本のソーセージを与えた。しばらく犬の様子を見て、カップルは家に戻ろうと歩き出した。
すると、その犬が2人の後をついて来たのだ。
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・家までついてきた犬を飼うことに
2人は結構な距離を歩き続けたが、犬は2人の後を必死で追い続けた。どこまでも、どこまでも犬はついてくる。人間の愛情を求めていたのかもしれない。
そんな犬の健気な姿を見て、2人は胸を痛めた。犬が彼らに救いを求めていることが明らかだったからだ。
結局、犬は、彼らの家までついてきた。ストーヤンさんとデッシーさんは、これも何かの縁だと、この犬を飼う決心をした。
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しかし、犬はなかなか家の中に入ろうとしながった。犬は尻尾を振りながらも中に入ることを戸惑っていた。
それでも根気よく、「入っていいんだよ」「さあおいで」と優しくと呼びかけると、ようやく犬は一歩を踏み出し、家の中へ入ってきた。
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・野良犬にだって幸せになる権利がある
犬は、カップルからたっぷりの食べ物と水をもらい、汚れた体を綺麗に洗ってもらった。
最初こそ怯えていたものの、シャワーのお湯にも慣れ、タオルで包んでもらうと、犬はようやく安心した様子を見せた。
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これまで辛い日々を送ってきたのだろう。嫌なこともたくさんあったけど、それでも人間の愛情を求めて奔走していたのだろう。
カップルに迎え入れられて安全と安心を得た犬は、ヒーターの前で温まると床に横になり、すぐに眠り始めた。
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ストーヤンさんとデッシーさんが、こんなふうに犬を救うのは初めてではない。
2人は、野良犬の救助や保護に関心を示さない政府の陰で、少しでも多くの野良犬や野良猫を救おうと、いつもできることを探している。
自宅には、既に路上で保護した4匹の猫がいて、正直そのお世話は大変だが、彼らに救いを求め、必死でついてきた犬を無視することはできなかった。
2人は、路上にいる野良の犬猫たちの引き取り先を探す活動も行っている。彼らが、そうした活動をこれまで続けてこられたのは、やさしい人々からの寄付や、保護活動を投稿しているYouTubeチャンネル『PawMeow』からの収益があるからだ。
「野良犬や野良猫たちにだって、幸せになる権利があります」と言うストーヤンさんとデッシーさん。ゆくゆくは、ブルガリアに動物保護施設を建て、より多くの犬猫たちの救助活動に尽くすことが夢なのだと語っている。
written by Scarlet / edited by parumo