人は問題を解決しようとする時、引いた方が理にかなっていても、何かをつけ足してしまう習性がある【ライフハック】

カラパイア

人は問題を解決しようとする時、引いた方が理にかなっていても、何かをつけ足してしまう習性がある【ライフハック】
人は問題を解決しようとする時、引いた方が理にかなっていても、何かをつけ足してしまう習性がある【ライフハック】

photo by Pixabay

 ブロックのおもちゃで橋を作ることを想像して欲しい。片側には3つのブロックが積まれている。もう片方には2つのブロックが積まれている。

 この状態から橋をかけるとしたらどうするか?ほとんどの人は2つのブロックに1つ足し、3つずつにすることで平らにして橋をかけるという。1つ減らして両方2つにするという選択肢もあるのにもかかわらずだ。

 『Nature』(4月7日付)に掲載された研究によると、人間が何かを解決しようとするとき、そこから”差し引く”のではなく、とりあえず”つけ足す”ことを選ぶ習性があるのだそうだ。
・人はまず足すことを考える

 散らかった家から地球に過剰な負荷を与えている現状まで、さまざまな状況の要因かもしれないと、米バージニア大学の行動学者ベンジャミン・コンバース氏は語る。

 コンバース氏らは、1585名の参加者に8つのパズルに挑戦してもらうという実験を行った。いずれも何かを足したり、引いたりすることで解ける問題だ。

 たとえばマス目に色を塗るか、消すかして対照的なパターンを作るというものや、旅行プランにぴったりになるよう所持品を加えるか減らすかするといったものだ。

 その結果、どのパズルでもほとんどの人が引くのではなく、何かをつけ足すことが分かったという。

 前述したマス目パズルでは94人中73人がマス目を塗ってパズルを完成させ、消して完成させた人は18人、最初からあった色を組み替えて完成させた人はたったの3人しかいなかった。

puzzle-3486885_640
photo by Pixabay

・引いた方が合理的なのにもかかわらず、お金を払ってでも足したがる

 そこで研究グループは、そもそも人はまずつけ加えることを考える生き物で、引くことなど考えもしないのではないかと仮説を立て、その上でどうにか引き算をさせることができないか試してみた。

 それが冒頭の問題だ。研究グループは大学キャンパスにいる人たちに声をかけ、1ドルを渡して屋根を安定させる問題にチャレンジしてもらった。

 だが参加者のうち半数には、「ピースを加えるたびに10セント費用がかかる」と伝えられた。にもかかわらず、98人中58人はピースをつけ足して解決しようとしたのだ。屋根を不安定にさせているピースをどけた人は40人しかいなかったという。

 研究グループはさらにヒントを与えている。「ピースを加えるたびに10セント費用がかかるが、取り除くならタダだ」と伝えたてみたのだ。これでもピースをどけたのは、99人中ようやく60人だった。

iStock-483800569
photo by iStock

・情報量が多いほど付け足す傾向が強まる

 ちなみに無関係な情報をごちゃごちゃと与えると、つけ足す傾向はいっそう強まったという。

 状況を改善しようと考えている人は、別のやり方をうながされない限りは、まずつけ足すことを考える。人は直感的に引き算は足し算よりも不自然なものだと認識しているようだ。

References:People add by default even when subtraction makes more sense / written by hiroching / edited by parumo
「人は問題を解決しようとする時、引いた方が理にかなっていても、何かをつけ足してしまう習性がある【ライフハック】」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧