「異文化」は言い訳?海外でビジネスを成功させる人と失敗する人の決定的な違い (2/2ページ)

新刊JP

・経済やビジネスの「発展段階」の違いによる壁

日本のように大半が「成熟産業」となっている国と、成長真っ盛りの新興国では、マーケティングや営業の手法、組織の作り方、リスクの取り方までかなりの違いがある。高度成長期の日本を知るビジネスパーソンが少なくなった今、ほとんどの人とって成長期のマーケットは未知のもの。だからこそ、この違いがわからずにつまずいた時、「文化の違いが原因でうまくいかなかった」と錯覚しやすい。

・自分がカバーする「ビジネス領域」の違いによる壁

日本にいた時よりも多くの製品やサービスを扱う必要があったり、バリューチェーン上の責任範囲が広くなったりと、海外に赴任すると日本での専門分野以外の仕事も手がけることになるケースが多い。

海外に来たことそのものよりも、手がける仕事の範囲が広がったことで求められる仕事の考え方や行動様式が変わり、うまくいかないことがある。これも、本人は「文化の違い」に原因があると考えやすい。

・「組織での役割」の違いによる壁

日本の本社から海外駐在に派遣される際、日本で平社員だった人が現地法人のマネジャーになったり、部課長クラスの人が役員になったり、日本時代より一段も二段も上の役割を担うことになるケースが多い。

本当は、その職階に応じたマネジメント経験がないから現地での仕事がうまくいかないのに、本人の口から出てくるのは「文化の違いに悩んでいる」「異文化コミュニケーションがうまくいかない」という言葉が多いそう。

・持っている「文化」の違いによる壁

上記の3つの壁を検討してみた結果、どれも当てはまらないなら、本当に「文化の違い」が原因なのかもしれない。ただ、その時であっても国籍や民族による文化の違いが原因かどうかはわからない。

もしかしたら相手先担当者との世代や性別の違いが原因なのかもしれないし、働き方の違いや受けてきた教育の違いなのかもしれない。「国の違い」よりも強く影響する個人的な要素は多々あるのだ。

慣れない環境での仕事に翻弄され続けるばかりの人がいる一方で、どんな環境に放り込まれてもたくましく成果をあげる人もいる。後者に共通するのは、ビジネスがうまくいかないのを「異文化」のせいにしないこと。

アメリカでもインドでもブラジルでも結果を出せる、ビジネスパーソンとしての真の強さを身につけるために、本書は役だってくれるはずだ。

(山田洋介/新刊JP編集部)

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