桜井玲香が東京で撮影した個人PVに刻印された「都市の記憶」【乃木坂46「個人PVという実験場」第18回1/6】 (3/3ページ)

日刊大衆

https://www.youtube.com/watch?v=vZaRIxoMSOU
(※桜井玲香個人PV「都内名所」予告編)

 渋谷にはじまり代々木~新宿、神楽坂から後楽園、さらに東京駅から築地、浅草、上野を、桜井が自転車で次々に周遊していく。東京ドームやスカイツリー、雷門など定番の観光地を意識的に背景に収め、ベタなまでに観光地としての「東京」要素を詰め込みつつも、細かなカット割りでスピーディーに進む同作品は、軽快な東京散歩の風景を心地よく描き出す。

 また、変化の速度がはやい大都市を映し出すことは必然的に、ある時代・ある刹那の記憶を留め、刻印することでもある。

 もちろん個人PVという企画自体が、メンバーたちのその時々の姿を留め、刹那を刻んでいく変化の記録でもある。

 デビュー初年度、まだキャリアの浅い桜井の姿は、今日見返せばすでに懐かしいアルバムの一葉としてある。そして、その桜井が駆けてゆく背景に何気なく映る東京駅の丸の内駅舎には、長らく工事が行われていることを示す仮囲いが取り巻いている。

 2010年代初頭、丸の内駅舎は仮囲いとともにあった。しかし、この個人PVが発表されてからわずか1ヶ月余りのち、丸の内駅舎は保存・復原工事を終え、囲いは取り払われる。同作品ははからずも、数カ月後には見ることのできなくなった、ごく過渡期の風景を記録するものになった。

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