乃木坂46のデビューから5作連続センターを務めた生駒里奈が語った重圧【アイドルセンター論】
なぜ彼女たちは「センター」に立ったのか⁉
アイドルセンター論
乃木坂46 生駒里奈(前編)
これまでこの連載では白石麻衣(https://taishu.jp/articles/-/83092)、西野七瀬(https://taishu.jp/articles/-/82242)と、乃木坂46の人気を支えてきたメンバーを取り上げてきたが、もうひとり決して忘れてはいけない、乃木坂46の基盤を築き上げたと言っても過言ではないメンバーがいる。
デビューから5作連続でセンターを務めてきた乃木坂46の顔、生駒里奈である。
生駒は1stシングル『ぐるぐるカーテン』から5thシングル『君の名は希望』までと、12thシングル『太陽ノック』でセンターを務め、最初期から乃木坂46を牽引してきた中心メンバーのひとり。歌番組やバラエティへの出演時には、乃木坂46の顔として発言を求められることも多かった。
2015年に映画『コープスパーティー』で初主演を果たし、2018年には『オー・マイ・ジャンプ!~少年ジャンプが地球を救う~』(テレビ東京)で『NARUTO』好きの女子大生役というぴったりの役柄を演じ、女優としての道を切り拓いた。
AKB48や欅坂46のようにアイドルグループの草創期はセンターを固定化してまずは認知してもらうという手法をとることが当たり前となっている。
AKB48は前田敦子が在籍期間の多くでセンターに抜擢されていたし、欅坂46も平手友梨奈が全シングルでセンターを務めていた。
これによって、センターを中心にグループが認知されていくというところがあるだろう。乃木坂46においても、生駒に求められていたのはセンターとしてグループの基盤を作り上げること、そしてグループを広めることだった。
生駒は2014年からはAKB48チームBとの兼任もこなし、「AKB48 37thシングル 選抜総選挙」では14位を獲得。同年12月末には『第65回NHK紅白歌合戦』にAKB48として出場するなど、乃木坂46メンバーとして誰よりも経験を積み、グループに多くのことを還元してきた。
当時はグループ内でも反発の声もあったというが、乃木坂46の成長のために自らの身を挺したのは他の誰でもなく生駒だった。
現在の乃木坂46の人気は凄まじいものがあるが、それも生駒がグループのために先陣を切って活動をしてきたからに他ならない。
だが、センターを務めるというのはひとりで多くの重圧にさらされることを意味していた。それゆえに生駒はセンターに対して、「その前に努力したりがんばったりして、やっと掴み取った達成感があればもっと違っていたかもしれませんが、アイドルグループのセンターって普通に考えたら憧れの場所なのに、わたしにとってのセンターはこわい場所でした」という発言を残している(『パピルス』vol.61)。
本来であれば、華やかで誰もが憧れるセンターという立ち位置のはずだが、生駒の認識はそれとは違っていた。そこにセンターというポジションの重みが凝縮されている。
6thシングル『ガールズルール』の選抜発表にて、初めてセンターから外れた際には涙を流し倒れ込んだ。しかし、センターを外れたことでこれまで抱えていた大きな重圧から開放され、自分らしく活動することができるようになったということを、後に発言している。
再びセンターに選ばれた12thシングル『太陽ノック』では気負っている姿はなく清々しい表情でそれも力強い眼差しで前を見据える彼女の姿があった。
乃木坂46が人気を高めていった2014年以降で生駒がセンターを務めたのはこのシングルのみとなっているが、むしろその後の生駒は以前にもまして存在感を発揮していたように思う。生駒が新たに見つけ出したポジションは乃木坂46にとって大きな役割を担っていた。