仕事がデキるかどうかは「誰にでもできそうな仕事」にあらわれる (2/2ページ)

新刊JP

実際、丹羽氏は現場主義を貫いてきたという。現場で経験して得た情報と、それをフォローする知識。それは2つの眼のようなもの。読書と経験は相まって、初めて生きた知恵になるのだ。

■人間の器が表れる場所とは?

一見、「役に立たない」「無駄」だと思える雑務。なんで自分がこんな仕事をやらされているんだろう…と思うこともあるだろう。

しかし、そういった仕事も、後から振り返ると人生に生かされていると気付くものだ。丹羽氏自身も会社に入りたての頃は、膨大な書類の作成を命じられ、「なんでこんな仕事を俺がしないといけないんだ」と不平不満を抱いていたそうだ。しかし、その作業を繰り返していくうちに、計算が速くなり、仕事の中身も分かるようになった。不満だった仕事にも、ちゃんと意味があったのだ。

誰にでもできそうな仕事でも、仕事に対する真剣さや努力の注ぎ方で、結果はかなり変わってくると丹羽氏は述べる。机を拭く、一枚のコピーを取る。そんな些細なことにも、仕事の出来、不出来といった質の差がはっきり表れるという。
面倒に思いながら雑に仕事をしていれば、仕事の本質には触れることができない。自分と仕事の器を広げるのは本人の心がけなのだ。

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本書は読んだその時から自分を変えてくれる至言が詰まっている。また、丹羽氏の体験談もふんだんに織り交ぜられており、具体的なイメージを持って読むことができるだろう。

人としての器を広げるためにはどうすればいいのか。本当の意味で器を大きくするための、心のありようが説かれている一冊だ。

(金井元貴/新刊JP編集部)

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