ギスギスした今だから際立つ人情ドラマ『小節は6月から始まる』誕生秘話(2) (3/3ページ)
中学、高校時代に読んだ「オヨヨ大統領」シリーズが、未だに金字塔として私の中に君臨しています。登場人物で交わされる絶妙な間。読む端から次々と映像となって広がる世界に魅了されました。文体だけでなく、映画や役者の嗜好まで影響されてしまい、それが今でも続いています。
――『小節は6月から始まる』をどんな人に読んでほしいですか?
青山:できれば若い女性に読んでいただきたいです。未代という主人公の女性を読んでほしいというのもあるのですが、未代の店で働く永松くんという男の子がいいキャラクターなんです。目立たないタイプで不器用だけど、誠実で、男から見てもいい奴なんですよ。もし近くにこんな男性がいたら、どうかチャンスを与えてあげてください、という気持ちです(笑)。
――内定を辞退するために、わざわざ本社がある北海道まで行くような人ですよね。確かにものすごく誠実です。
青山:そうそう。行動力はあるのに、好きな人の前に立つともじもじして何もできないというね。
――最後になりますが、読者の方々にメッセージをお願いいたします。
青山:私のような者が言うのはおこがましいですが、日本語ってすごいなと思います。語尾がひと文字変わるだけで、伝わる感覚が全然違ってくるじゃないですか。ここまで表現力に富んだ言語は、他の国にはないと思われます。せっかくこんな環境にいるのですから、ワンフレーズとか絵文字、外来語の良さだけでなく、もっともっと日本語本来の素晴らしさに触れていただきたいです。
(新刊JP編集部)