イギリスで、全ての動物が感覚と感情を持つ「衆生」であることを認める法案が可決される

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イギリスで、全ての動物が感覚と感情を持つ「衆生」であることを認める法案が可決される
イギリスで、全ての動物が感覚と感情を持つ「衆生」であることを認める法案が可決される
イギリスで動物を物ではなく人と同様の生き物であることを認める法案が可決される
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 「衆生」とは、”命ある者”、”心をもつ者” を意味するサンスクリット語の訳語であり、生きとし生けるもの(生類)のことだ。

 これまで、動物は法律上「器物」として扱われていたが、このほどイギリスで、動物を正式に衆生として認める条項が、動物福祉法にくわえられることになった。『iflscience』や『Lad Bible』などが伝えている。

・英国、全ての動物は生きとし生けるものであると正式に法で認める

 イギリスはかつて、EU離脱交渉の離脱請求書の中に、「動物は感情を持ち、苦痛を感じる」という条項を盛り込もうとしたが、下院がこれを否決し、動物を愛する人々から多くの批判を浴びたのは2017年のこと。

 そこでここ4年間は、英政府が改めて自国の動物福祉法を見直し改正案を提案するなど、前向きな取り組みがなされてきた。

 そしてついに今年5月13日、イギリス政府は公式サイト『GOV.UK』で、全ての動物は生きとし生けるものとして公式に認められる条項を動物福祉法に加えることを発表した。

 この動物は、ペットや家畜など、文字通りあらゆる動物に適用される。


 今回の法改正は、長年動物の権利を主張してきた動物保護団体らの勝利となったようだ。

 英環境長官ジョージ・ユースティス氏は、声明文の中で次のように述べている。

私たちは、動物愛好家の国であり、世界で最初に動物福祉法を可決した国でもあります。

私たちの動物福祉のための行動計画は、屠殺と肥育のために生きた動物を輸出することを禁じ、子犬の密輸に取り組むための新しい法律を導入するという宣言を、法という形で実現します。

独立国として、私たちは今、優れた動物福祉に対する実績を更に発展させることができるのです。


・今回の法改正で実施される禁止事項とは

 動物を愛し保護する意識の強いイギリスにおいて、この動物福祉法の改正は、今後大きな変化に繋がっていくのは明らかだ。

 例えば、フォアグラはこの新たな法のもと、今後は禁じられる可能性が高いという。また、犬の躾や吠え防止などの訓練のために用いられる「通電首輪」も禁止される。

 更には、ユースティス氏が述べたように子犬の密輸取引だけでなく、象牙やフカヒレ取引も停止となり、輸入規則が変更となる。

 また、当局は違法なウサギ狩りの新たな取り締まりを実施し、罠の販売や使用を制限する予定だという。

 農家においては、豚や家禽のケージや木枠に厳格な規則を導入するのを止め、家畜の飼育方法や保護方法を変更することが求められ、それに従うことで政府からインセンティブが与えられるそうだ。

 世界をリードする家畜福祉団体『Compassion in World Farming』のシニアポリシーマネジャー、ジェイムズ・ウエストさんは、こうした措置を大いに歓迎している1人だ。

私たちは長い間、動物を生きとし生けるものとして認める英国の法律を求めてきました。

政策を策定し、実施する際には全ての動物に十分な配慮を払うよう、政府に対して何十年という年月をかけてキャンペーンを行い、訴えてきました。

今回、政府が食肉処理と肥育のために生きた動物の輸出を長期にわたり禁じ、法制化したことを本当に嬉しく思っています。ついに、この残酷で不必要な取引が終結する時が来たのです。


 英国の新たな動物福祉法のもとでは、人々は絶滅危惧種の動物からハンティングトロフィーを得る行為は、もはや認められない。

 政府の声明文には、このように記されてある。

EU離脱をした今、英国は動物福祉基準を更に強化し、動物の権利の世界的擁護者としての地位を強化する新たな自由を得ることになりました。

 イギリスでは、あらゆる動物を虐待などから保護する以外にも、鶏を産むためのバタリーケージの使用を禁じたり、食肉処理場にCCTVの導入を義務付け、最近では動物虐待の最大刑を6か月から5年まで引き上げるなど、多くの改革を通じて、長年にわたり高い福祉基準の伝統を守り続けている。

written by Scarlet / edited by parumo
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