世界が大注目!今こそ読むべき渋沢栄一の大ヒット本「論語と算盤」を解説

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世界が大注目!今こそ読むべき渋沢栄一の大ヒット本「論語と算盤」を解説

Japaaan読者の皆さんこんにちは、ライターの小山桜子です。今年注目の歴史人物といえば、渋沢栄一(しぶさわえいいち)ですね。渋沢栄一は、国立第一銀行(現在のみずほ銀行)をはじめ、明治期に500以上の企業の設立・育成に関わった「日本資本主義の父」と呼ばれる人物。

今年2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公として、人気俳優吉沢亮さんが好演さえていることに加え、「令和6(2024)年度上半期に執行予定されている紙幣改定により、1万円札に渋沢の肖像が採用されることになったことでも一躍有名になりました。

今回はそんな大注目の渋沢栄一の名著、「論語と算盤」の内容を簡単にご紹介します。

渋沢が言いたかったこと

「論語とソロバンというかけ離れたものを一つにするという事が最も重要なのだ。」

この言葉は、渋沢栄一が「論語と算盤」の中で最も言いたかったことのひとつと言っていいでしょう。言葉自体は少し抽象的ですが、一体どういう事なのでしょうか。

論語とは?算盤とは?

論語というのはつまり、古代中国の思想家・孔子が言ったような人間がたいせつにするべき道徳の心。そして算盤(そろばん)というのは、今の経済社会の仕組みである資本主義社会の中で働き、利益を得ることです。

この二つは一見矛盾しそうに思える事柄ですが、その二つのバランスをうまく取って、国民一人一人が道徳心を持ちながらも利益を得ていくことが国全体を豊かにしてゆくことに繋がる、というのが「論語と算盤」における渋沢栄一の主張です。

現代社会を考えることに繋がる

渋沢栄一のこの考え方は、今トレンドとなって叫ばれているSDGs(「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称)、エコ、エシカル消費といったワードに繋がっていきます。渋沢風にいえば、現代社会は論語と算盤のバランスがとれておらず、「算盤」寄りに大きく傾いてしまっている状態。

18世紀の産業革命以来世界中の人間たちが道徳を顧みずに個人の利益追求を続けた結果、環境破壊が進み、長い目で見て人類の危機を招いてしまったのです。道徳とは何かを再び考えていったん利益追求のスピードを落とすことが、今人類が直面している問題に対する明確な対処法となりうるのです。

もし私たち人間一人一人が、道徳と利益のバランスを取って生活することを真に実行できれば、現在先進国で問題となっている食糧の大量廃棄も確実に減らすことができるでしょう。

現代社会に警鐘を鳴らす意味も込めて、渋沢栄一の「論語と算盤」は今最も読まれるべき一冊だと言えます。

論語と算盤 (角川ソフィア文庫)

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