尾崎豊「没後30年目の新証言」(4)7メートルの高さから飛び降りた (2/3ページ)
そして尾崎は、高さ7メートルの照明台からジャンプする。その瞬間、不気味な音が響き、尾崎は苦悶の表情を浮かべた。
「日比谷野音は床がコンクリートなんですよ。あれだけの大ケガだけど、それでもまだ不幸中の幸いです。頭から落ちていたら死んでいたと思います」
江口は茫然としながらギターを弾き続けた。尾崎はスタッフに抱えられ、ステージ裏に引き上げる。それでも再び戻ってくると、這いつくばったまま残りの曲を歌い終えた。
江口はデビューライブから3年以上を、バンドの要として支えた。最初は「8ビート」という言葉も知らなかった尾崎が、またたく間に音楽的成長を見せた。
そしてデビューから1年も経っていない日比谷野音で、尾崎は左脚の骨折で4カ月ものブランクを負ってしまう。実はケガをした翌日も同じ日比谷野音で、親友となる吉川晃司とのジョイントライブが予定されていた。
「あいつとやりたかったのに。尾崎のバカヤロー!」
当日に出演不能を知った吉川は、ステージでそんな思いをぶちまけている。この日から3年後、吉川は尾崎をある人物に紹介する。
「実は尾崎が甲斐さんとしゃべりたいらしいんだけど、それが言えなくて」
吉川と旧知の甲斐よしひろのことである。偶然、甲斐が飲んでいた西麻布の店に2人が訪れ、その一言を残すと吉川は帰り、それに促されるように隣に座った尾崎が口を開いた。