8000体もの兵馬俑が埋葬されている秦の始皇帝の墓、「秦始皇帝陵」とその謎

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8000体もの兵馬俑が埋葬されている秦の始皇帝の墓、「秦始皇帝陵」とその謎
8000体もの兵馬俑が埋葬されている秦の始皇帝の墓、「秦始皇帝陵」とその謎
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 中国、陝西省西安を北東に30キロメートルほど進むと驪山(りざん)がある。この北側には中国史初の皇帝となった秦の始皇帝の墓「秦始皇帝陵」がある。この墓は1974年、地元の住民により発見された。さらにこの墓を取り囲むように8千数百体にも及ぶ兵士や馬をかたどった兵馬俑(へいばよう)が埋葬されていた。

 戦車百数台、馬が600体、武士は等身大の成人男性を模したもので、全部東を向いている。

 始皇帝(紀元前259年 - 紀元前210年)は紀元前221年に史上初の中国統一を成し遂げると最初の皇帝となり、紀元前210年に49歳で死去するまで君臨した。その強大な力を利用して作られたのがこの秦始皇帝陵である。



 大々的な発掘調査で様々な興味深い事実が明らかとなった。

 兵士の俑にはどれ一つとして同じ顔をしたものはないこと、秦の軍隊が様々な民族の混成部隊であったこと、その全てが、秦の敵国が存在していた東の方を向いて配置されていたのだ。

 また、かつては兵士の俑のそれぞれに顔料で彩色がされていたこともその後の発掘調査で明らかとなった。

 21世紀に入った現在でも、兵馬俑の調査・研究は継続されており、最近の調査では、来世へと旅立った始皇帝の為に造設されたこの遺跡は、軍隊だけでなく宮殿のレプリカや、文官や芸人等の俑も発掘されている。そのため、生前の始皇帝の生活そのものを来世に持って行こうとしたものである可能性が高いと考えられている。

 兵馬俑は秦の始皇帝陵の一部として1987年、世界文化遺産に登録されている。

The First Emperor of China

 また、兵馬俑のうち兵士を模したものは、その腰に長さ90センチの青銅製の長剣を差していた。この長剣は2200年余り埋められていたにもかかわらず、新品同様の輝きでまったく錆びた痕跡がない。専門家によると、これらの長剣は化学クロムメッキ技術で処理されているという。

 この剣の他にも、同時に出土した矛、戟、刀や大量の弩、矢じりにもクロムメッキ処理が施されている事がわかった。クロムメッキは1937年にドイツで発明された近代のメッキ技術である。にもかかわらずなぜ2200年も前の人がこの技術を知っていたのだろうか?

 更にこの技術に関して、泰の書物には一切記載されておらず、その後の漢の時代に作られた銅剣は、皆ボロボロに腐食していることから、この技術は継承されていない。秦の時代、いったい何が起きていたのだろう?人々の興味と古代ロマンは当分尽きることはなさそうだ。
via:theworldgeography

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