「8度の20勝以上」は“西本再生工場”のお陰!?元近鉄・鈴木啓示が動画で回顧

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「8度の20勝以上」は“西本再生工場”のお陰!?元近鉄・鈴木啓示が動画で回顧

 日本プロ野球名球会が運営する公式のYouTubeチャンネル〈日本プロ野球名球会チャンネル〉に、プロ通算317勝の名球会投手、鈴木啓示氏が出演。鈴木氏は、2年目から20勝以上の活躍を見せ、以降、5年連続で20勝以上をマークしたが、72年に20勝を割って14勝。以後、11勝、12勝と当時の鈴木氏としては低迷期を迎えた…。しかし、75年には22勝をあげ、復活を遂げている。これは74年に近鉄の監督に就任した故・西本幸雄氏の根気強さが実った結果だったと、鈴木氏が同チャンネルの6月18日付け投稿回で振り返っている。

 鈴木氏によると、当時、ブルペンで練習している鈴木氏の後ろに立ち、「お前の投げ方は悪くないねん。でも、こうした方がもっと良くなるで…」と西本監督は指摘してきたという。当時、すでに180勝以上していた鈴木氏には自惚れもあったと振り返り、耳を貸すことはなかったそうだが、西本監督は翌日、また翌日と1カ月半、毎日ブルペンに訪れては同じことを唱え続けたそうだ。

 2度、3度と同じ助言を繰り返すと、人は普通、語気が荒くなり、しまいには相手にもしなくなるものだが、西本監督は違っていて、「今このことをお前に初めて言ってるぞという雰囲気が、体から、言葉から新鮮味を感じた」と振り返る鈴木氏。「毎日同じことを言ってくれるのは、オレのことを本当に思ってくれるからやな」と根負けする形で“改心”したというのだ。結果、鈴木氏はプロ通算8度の20勝以上をマークし、西本監督在籍中の77年、78年には連続最多勝利のタイトルにも輝いたのだった。

「再生工場」と聞けば、故・野村克也監督の名前を用いた「野村再生工場」が有名だが、「西本再生工場」なくして300勝投手は生まれなかったであろうことがしみじみわかった、見ごたえのある回だった。

(ユーチューブライター・所ひで)

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