山下智久、ミリオンヒットを生んだ「作詞家へのリクエスト」とは?

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山下智久、ミリオンヒットを生んだ「作詞家へのリクエスト」とは?

 KAT-TUNの亀梨和也と山下智久によるデュオ・修二と彰は、ミリオンアーティストだ。2人がダブル主演を果たした学園ドラマ「野ブタ。をプロデュース」(日本テレビ系/05年)の主題歌「青春アミーゴ」は、デビュー曲にして162.9万枚を売り上げるメガヒット。ジャニーズでは、300万枚突破でぶっちぎりのNo.1であるSMAPの「世界に一つだけの花」、2位のKinKi Kidsのデビュー曲「硝子の少年」、3位の同じくKinKiの「愛されるより愛したい」に続き、歴代4位だ。

 同曲は、100人ほどの音楽関係者が応募したコンペで選ばれた。白羽の矢が立った作詞家・zoppさんは、それまでに200社以上で落選していたが、今回はカップリングソングのコンペで、「自由に書いていいよ」と言われていたため肩の力を抜いて、昔から書いてみたかったハードボイルドな歌詞にした。すると、見事に採用。急きょA面に差し替えられた。

「印税が入ってくるのは、リリースからおよそ半年後。作詞家印税はCDの販売価格(1200円)の3%なので、およそ6000万円が懐に入った計算です。さらに06年、『青春アミーゴ』はカラオケランキングで1位。JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)の概算ではざっと10億回は歌われたことになるそうで、ほかにラジオで流されたなどの著作隣接権も発生。zoppさんの元には発売から16年たった今も振り込みがあるそうです」(音楽関係者)

 06年、山下がシングル「抱いてセニョリータ」で歌手デビュー。60万枚の大ヒットとなった。zoppさんはこのコンペにも参加。偶然、自身の事務所に打ち合わせで来ていた山下と会い、「Bメロのところにセニョリータとか入れたらいいと思うんだよね」とリクエストされた。

「zoppさんは『入れる? そこに?』と首を傾げたそうですが、遊び心で入れてみた。前作はアミーゴ(友達)で、今作はセニョリータ(お嬢さん)。同じスペイン語でもあったので、『青春アミーゴ』の続編でかつ、修二と彰のその後のストーリーというコンセプトに定めたのです。そうしたら、また当たった」(前出・音楽関係者)

 1番の歌詞は、およそ20分で完成。自身史上もっとも高い時給の1曲となった。

「抱いてセニョリータ」は、山下提案の“ダサかっこいい”歌詞がなければあれほどのヒットにつながらなかったかもしれない。山下は当時21歳。ソロのアーティストは大成しないと言われ続けていたジャニーズ事務所で珍しくヒットを飛ばした革命児・山下。天才の“芽吹き”は早かった。

(北村ともこ)

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