豪族の氏神からやがて庶民への信仰へと移っていった「稲荷信仰」とその経緯 (2/2ページ)
春に行われる伏見稲荷大社の稲荷祭では、神輿が東寺の前を立ち寄り、東寺の僧たちの読経を受けます。これは、稲荷神と空海のエピソードに由来するのだとか。
稲荷神は、後に五穀をつかさどる御食津神・ウカノミタマ(宇迦之御魂神)と同一視されるようになります。
また、稲の神様ということで、全国各地の田の神として民衆の間にも信仰が広まると、やがて方策を与える神であることから、植財の神ともみられるようになり、商工業者の信仰を集めるようになっていきました。
ウカノミタマは、稲穂を担ぎ、鎌を手に、神の使いであるキツネの姿で描かれることが多いですが、キツネが神使になったのには、狐が農作物を荒らすネズミを食べることから、稲を守ってくれる動物として考えられたからです。
参考文献
吉野 裕 翻訳『風土記』(東洋文庫 1969) 五来重監修『稲荷信仰の研究』(山陽新聞社 1985)日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan