死ぬ人は三日で死ぬ 過酷な漂流生活を生き抜いた男の知恵とは (2/3ページ)
海水を蒸留して真水を作ることができる「太陽熱蒸留器」を使って飲み水を作ろうとしたのだが、 「順調にいけば一日900ccの真水を確保できる」 と説明書には記されていたものの、やってみると、海上という環境からか、どうしてもできた水には塩気が混じってしまい、使い物にならなかった。
とはいえ、漂流中の飲み水の確保をいつ降るかわからない雨に頼るのはかなりリスキーだ。
キャラハンはタッパーの中に海水を含ませた布が入った空き缶を入れてビニールで覆って密封。太陽の熱で蒸発をした水分がタッパーの底に落ちるという仕組みを考案して、真水を得たという。自作の蒸留器である。
水を確保する算段がついたら次は食べ物だが、幸いにして水中銃を持っていた。それに、イカダの周りには絶えず魚がつきまとってきたという。その一つがシイラなのだが、この魚は漂流物にくっついてくる性質があるようで、イカダの周りには常に数十匹が泳いでいたそう。ただ、イカダを激しくつっつくため、乗っている人間は非常にイライラするのだとか。
そんなイライラに耐えきれなくなったキャラハンが狙いを定めずにやみくもに発砲したら、たまたま一匹のシイラに命中。イカダに引き上げてとどめを刺すための格闘が始まるのだが、うっかりモリで布製のイカダの底を突いてしまうと穴が空いて一巻の終わりである。かなり神経を使う作業だったという、漂流ならではのエピソードが紹介されている。こうして捕獲したシイラやモンガラをそのまま食べたり、干物にしたりして命を繋いでいく生命力と創意工夫が圧巻である。