医療も自分も守る 現役医師が説く「患者力」とは(2) (3/3ページ)
そういうところに疑問を感じて、自分なりに病院内で対策を立てつつ仕事をしていたら、「医療安全管理部の仕事をやりませんか」ということになったのです。それでやってみたら、病院内で起きた患者さんとのいろいろなトラブルを目の当たりにしました。
それまで何も言っていなかった患者さんが突然怒りだしたりとか、治療結果が悪かったといってクレームが来たり、といったことです。だけど、それってそこにいたるまでの伏線が必ずあるはずなんですよ。いきなり怒ったわけではなくて、病院側に対してためこんでいた不満が爆発したんです。こちらが早く気づいていれば何かできたかもしれません。
そういう医療者と患者さんの間のコミュニケーションのへだたりをいかになくすか、病院側に不信を抱いている患者さんにどう対応するかについて学べるものはないかということでコンフリクトマネジメントを学ぶようになりました。
――「病院側に対してためこんでいた不満が爆発した」というお話がありましたが、これはかならずしも病院側だけの問題ではなく、患者側も納得できないことはその場で伝える力を持った方がいいと感じました。
永井:医療者が患者さんの気持ちを上手に聞き出す対話や質問ができれば、相手がポロっと漏らしたことからこちらへの不満や不信を把握して、対処できるかもしれません。そういうことを私は医療者にずっと伝えてきましたから、今度は患者さんの方にも言わせていただこうということで、今回の本を書きました。
――最後に、今回の本の読者の方々にメッセージをお願いいたします。
永井:どんな生き方をしたいか、死ぬときに後悔しないか、自分軸を持って考えている人は医療を上手に利用しています。
医療は頼るべきものですが、依存するものではありません。あなたの人生を主体的に考えて活用する、医療者にも力を与える、そんな「自分の人生に責任を持つ」ステキな方が増えてほしいと思っています。それが自分自身も楽に心豊かに生きることにつながるはずです。
(新刊JP編集部)