撮り鉄への“集団リンチ”は正義なのか? モラルがなさすぎるネット民たち…

まいじつ

撮り鉄への“集団リンチ”は正義なのか? モラルがなさすぎるネット民たち…

ここ最近、ネット上で地獄の光景が繰り広げられている。暴走したネット民が、鉄オタこと鉄道ファンに凄絶なネットリンチ・いじめを行っているのだ。

コトの発端は、8月初旬にツイッター上でバズった動画だった。動画には江ノ島を運行する路面電車・江ノ電が、駅から発車する瞬間が収められている。周囲には電車の写真を趣味にしている「撮り鉄」が大量に集い、絵ハガキのような趣ある一枚を激写せんと奮闘中だ。

しかし次の瞬間、左手を高く掲げた片手運転で、自転車に乗った外国人男性が悠然と現れる。いたずら心か自身も写真に写ろうとしたのか、彼はゆっくりと発車する江ノ電に並走し、フォトジェニックな瞬間を狙う多くの撮り鉄の夢を打ち砕いたのだ。

シャッターチャンスを邪魔された撮り鉄からは「どけー!」「おいチャリ!」「ふざけんなよ!」といった怒号が飛び交い、皆で男性に詰め寄って一触即発。この動画が拡散されると、ネット民のほとんどは外国人男性を擁護。撮り鉄たちを「通りがかっただけで罵声を浴びせる酷い奴」「線路沿いに溜まる方が迷惑」などと攻撃した。

無意識に「鉄オタはいじめてもOK」と思っている醜いネット民

その後、一部の撮り鉄は男性が営むタコス店の口コミに低評価をつける〝報復〟を開始。他方、男性は自身と電車が写った写真をSNSにアップし、荒らしすら楽しむ様子を見せつける。すると、その毅然とした態度が撮り鉄との対応差を強調させ、相対的に好感度が爆上がり。現在、店はネット民の来店で連日大行列のバブル状態になっている。

こうして、撮り鉄たちは「陰湿」「身勝手」など、連日ネット上で攻撃・笑い者にされる立場に陥ってしまう。しかし、冷静になってほしい。この光景は、モラルのない者がモラルを盾に他人を攻撃するという、ネットリンチそのものではないだろうか。

「外国人男性が『通りがかっただけ』と擁護する声もあります。たしかに、この付近は男性の地元で駅も帰宅ルートだったようですが、線路沿いに大量のカメコが並ぶ中、わざわざポーズをキメて電車と並走なんてどう考えても意図的な行為でしょう。怒号が飛び交う中でも遠慮せず、表情を崩さずに『してやったり』な雰囲気からもこれはうかがえます」(批評言論家)

男性と撮り鉄はある意味で〝どっちもどっち〟。片方のみ攻撃するのは、アンフェアないじめなのだ。

「SNS投稿から分かるように、男性側はこの件をネタにし、店の知名度UPに利用しています。こうして見れば〝ウケ狙い〟目的で撮影を妨害したと考えるのが自然でしょう。発想は炎上系ユーチューバーと一緒ですよ。いわばある程度は〝お互い様〟なのに、ネット民は片方の事情のみを汲み、もう片方を『キモい鉄オタ』と一方的に攻撃。挙句、攻撃を超えた誹謗中傷や嫌がらせすら『よくやった!』と喝采するのですから、鉄オタへのいじめ・リンチに他なりません。『遊んでるだけ』『いじめじゃなくイジリ』との言い訳も、いじめさながらで本当に醜いです」(同言論家)

たしかに、鉄オタのマナー違反はたびたび問題になってきた。しかし、鉄オタだから〝私刑〟にしていいワケにはならない。ここまで騒動が大きくなったのは、周囲に流されて気が大きくなる集団心理だろうか…。

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