有村架純「引き込まれる何かがある」仲野太賀がハマった魅力とは? (2/2ページ)
そんな彼女の相反する雰囲気は、『コントが始まる』(日本テレビ系)で共演した仲野太賀の次のようなコメントが的確に表しているだろう。
「有村さんって親近感もあったりするじゃないですか。でも、ベールに包まれてるというか。本当のところ、何が本物の有村さんなのかがわからないというか。引き込まれる何かがありますよね」(『しゃべくり007』日本テレビ系、2021年4月19日)
『有村架純の撮休』(WOWOWプライム)という2020年に放送されたドラマがある。有村架純が本人役を演じるモキュメンタリーのようなドラマだ。物語は毎回、有村が主演を務める架空のドラマが急遽撮影休止になる、というところから始まる。そのぽっかりと空いたプライベートの1日を有村架純がどのように過ごすかが、8通りのエピソードで描かれる。監督や脚本を手掛けるクリエイターの組み合わせは毎回違う。監督には是枝裕和や今泉力哉など豪華な名前が並ぶ。
そんな作品で、彼女は異なる作り手による異なる「有村架純」の像を、見事に演じ分けてみせる。そこには彼女の確かな演技力があるわけだけれど、一方で、彼女が醸し出す“親近感”が「確かに彼女はこんな休日を過ごしているのかもしれない」と感じさせる説得力になっているように思う。そういう意味で、彼女はやはり近い。
他方で、「確かに彼女はこんな休日を過ごしているのかもしれない」と思えてしまうのは、彼女のプライベートへの先入観が私たちの側にあまりないということも意味しているだろう。SNSでほとんど私生活を見せないスタンスは、いくつもの異なる有村架純像に説得力をもたせる。そういう意味で、彼女はやはり遠い。
近さと遠さ。同じ場所を占めないはずの2つの要素。その交差点に、有村架純はいる。
(文・飲用てれび)