”えこひいき”な人事の結果…武士道テキスト『葉隠』が伝える佐賀藩士たちの嘆き (2/4ページ)

Japaaan

「此度の参勤交代は、上様(徳川綱吉-とくがわ つなよし)が征夷大将軍にご就任(宣下)あそばすゆえ、恒例の御能(おのう)上演に多くの来賓があろう」

「まぁ、そうなりましょうな」

徳川将軍の代替わりに際して、能の観覧が恒例になっていた(イメージ)

「そこでじゃ。御馬廻組(おうままわりぐみ。親衛隊)に所属している手明槍(てあきやり)の者を江戸へ随行させ、侍役(じやく。接待役)を務めさせるのはいかがか」

手明槍とは手空きの意味で、平素は農民など民間人として生計を立てつつ(もちろん、多少の給金などは出たのでしょうが)、いざ有事には槍をとって奉公する、予備役のような存在です。

従来であれば、参勤交代などで国元が手薄になったところを警備させるなどの運用をしていたのを、今回は藩主・鍋島光茂(なべしま みつしげ)はじめ要人たちの接待役として江戸へ召し連れていこうというのでした。

「しかし、こう言っては悪いが、手明槍の連中は人品よからぬ者が少なからずおる。もし上様の御前で不始末など起こそうものなら、当家の名に泥を塗りかねない」

「然り。どうしても人員を増やさねばならぬなら、家中より質のよい者を召し連れていくべきであろう」

心ある者たちは手明槍の随行に反対し、にわかに争論となりましたが、結局は召し連れていくことに決定します。

「えぇいうるさい、大丈夫じゃ。我らがきちんと選抜すれば、おかしな者が混じることなどないわ。

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