”えこひいき”な人事の結果…武士道テキスト『葉隠』が伝える佐賀藩士たちの嘆き (3/4ページ)
そもそも格下の分際で盾突くなど不埒千万。控えよ!」
「……ははあ」
この争論によって御部屋付を務めていた羽室(はむろ)某や大隈(おおくま)某が職を辞して浪人することとなりました。
「大胆な人事刷新は、藩政改革の第一歩。さぞや殿の覚えもめでたかろうて……」
そして手明槍の中から御側年寄によって依怙贔k……もとい「きちんと選抜」された20名が究役(きわめやく)に取り立てられ、藩主らとコネを作って大いに出世したということです。
究役とは犯罪の取り締まりと簡易な(奉行や藩主の判断を仰ぐまでもない)裁判を行う保安官で、地元では大きな権限(検断権)を持っていました。
与えられた権力(オモチャ)に大はしゃぎ、威張り散らす元手明槍たち(イメージ)
古今東西、資質のない者に権力を持たせるとロクなことにならないのはお約束ですが、ここでも「きちんと選抜」された者たちは与えられた権力を大はしゃぎで振り回します。
彼らの意に反した者が冤罪で罰せられたり、逆に賄賂を貰って悪事が見逃されたりなど、それこそ究役のヒマがなくなるほどに不正が横行するようになってしまったのでした。
終わりに一六九 新儀と云ふは、よき事にても悪事出来るものなり。