風俗文化の象徴。性愛・性交を描いた絵画「春画」の歴史と移ろい【前編】 (2/3ページ)
春画の手法は肉筆画と木版画に大別することができる。肉筆画は貴重であり貴族などの上流階級民を中心に広まった。印刷技術が向上した江戸時代中期以後は、庶民に広がり木版画の市場占有率が増加した。
春画の起源紀元前から性をテーマにした絵画や彫刻は世界中に存在した。春画の原型は中国から平安時代(12世紀頃)にもたらされた房中術(性行為のおける技法を示した解説図)の指南書だとされる。以後、日本独自の発展、進化を辿った。
平安時代には初期の春画が多く製作され、性行為を露骨に描写したものや、歪曲しユーモラスに表現したものなどバリエーションに富んだ作品も登場した。
現存している最古の春画は、平安時代末期に描かれた春画の絵巻物「小柴垣草紙(こしばがきぞうし)」と考えられている。
この春画は平安時代中期の皇族であった済子女王と、武士である平致光の密通を描いたものと推察されている。原本は現存せず、現代に残るのは伝本のみである。