【調査分析】ストレスチェックから見える年代別ストレス度と要因分析 ~意味づけに悩む20代と、責任や負担が重くなる30代~ (2/4ページ)

バリュープレス

他にも、上司や先輩によって言うことが違って困惑したり、あまり面識のない他部門との業務調整は若手にとってストレス因になりやすく、その点は常に注意が必要です。

なお、仕事の適性や技能の活用などは、ワークエンゲイジメントと正の関連があることが本データの別の分析で明らかになっています。20代は周囲からのサポートや人間関係に関する不満が少ないにもかかわらずワークエンゲイジメントが高くありませんが(図1‐⑤)、おそらくその背景には、上記のように、仕事の適性や意味づけを十分に感じていないことがあると思われます。したがって、若手のワークエンゲイジメントを高い水準で維持させるためには、その仕事をアサインする理由や、その仕事がその人のキャリアや成長、ひいては所属組織や社会にとってどのような意味を持っているのかを丁寧に説明するなどの工夫が必要だと考えられます。

仕事の負担や責任が増える30代に注意

30代は仕事の負担が最も高く(図1‐⑥)、ストレスの程度も最も強いという結果となっています(図1‐⑦)。30代は中堅社員となって負荷の高い仕事や、責任の範囲が広い仕事を回していかなければなりません。プライベートの環境も大きく変化するとともに、仕事の複雑性が増していき、部門間調整を含めて対人面での葛藤が高まりやすい年代だと考えられます。また、様々な経験を通して、会社の良いところだけでなく、キャリアや評価に対する不満など、自身の価値観に合わない部分も見えてくるため、経営層に対する信頼感が下がりやすくなっている可能性があります(図1‐⑧)。そのような状況で20代のときのように手厚いサポートが減り、よりストレスフルな状態に陥る傾向があるため、30代は特に注意が必要です。

この傾向は40代でも続きますが、40代は仕事に慣れてくることで裁量が増え、全体が見通せるようになっていることや、自分自身のスキルに応じた仕事ができるようになることで、30代よりも比較的良好な状態を保っていると思われます。しかし、基本的に30代よりも負担や責任は大きいため、何らかの理由でそのバランスが崩れた場合、メンタルヘルス不全に陥る危険性があることを念頭に置いておく必要があります。

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