「妻とは別れる」と言っていたのに子どもが増えていく 衝撃の不倫小説 (2/2ページ)

新刊JP

やがて妊娠した「私」だったが、そのことを告げてもジュードが喜ぶはずもない。慌てふためき、「それが二人のため」という理屈で強硬に中絶を勧めるジュードに「私」はさらなる不信感を募らせる。出産を頑として譲らない「私」に、ジュードは驚愕の行動に出る……。

不倫で苦しむ人に対して「さっさと別れればいい」と口で言うのは簡単。本人もわかっているが、それができないからこそ苦しいのである。そして独身者と交際する既婚者は、身勝手にならざるをえない。どんなに優しかろうと、気遣いができようと、家庭を捨てていない以上、身勝手であることから逃れられる既婚者は存在しない。その身勝手さに相手は傷ついていく。

不倫は未来のない不毛な恋と言われる。報われることが期待できない恋はつらいが、だからこその輝きも、おそらくあるのだろう。不倫の恋の蜜の味も、その何倍もある苦味も、両方を堪能できる一冊だ。

(新刊JP編集部)

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