相手が心から動いてくれる「気持ちのいい合意」を生む方法とは?(1) (2/4ページ)
このタイトルについて、どのように考えてつけられたのですか?
高橋:このコロナ禍の影響から、リモートワークが増え、チャットやメッセンジャーツールといったコミュニケーションの手段が広がり、世の中はすごく便利になりました。また、人を動かすコミュニケーションの取り方についても色々な情報が出ていて、みなさんそれを見て勉強していると思います。
ただ、人を動かす側はそれでいいものの、動かされる側はどうかというと「はい、分かりました」と一応合意はしたものの、実は納得していないケースが多いのではないかと思うんですね。同意はしたけれど、モヤモヤが残っているというような。見せかけの合意と、心からの合意はやっぱり違うもので、その後の動きにも大きく関わってきます。心からの合意の方がみな、納得して積極的に動くでしょう。
心からの合意は、短時間の打ち合わせを通した「はい、分かりました」だけでは形成できません。相手との会話の応酬、ともに壁を乗り越えていく作業などがあって、たどり着けるのではないかと思うんですね。
――コミュニケーションコストという点からいうと、心からの合意を形成するのはかなりコストがかかると思います。時間もかかりますし、コミュニケーション量も多くなります。ただ、そういうコストを考えても、納得し合った合意の方が良いということでしょうか?
高橋:長い目で見ると、合意に対する納得の深さが重要です。今は、効率が重視される世の中ですから、余計な衝突を避け、コストをかけないことが求められていますが、実際は衝突や摩擦が一切ないものから生まれた合意は浅くなりやすいです。
本書に出てくる「共に創るディスカッション」は、「一見すると面倒に思えることが、実は深い納得につながる」というのがポイントです。動かされる側が深く納得して、腑に落ちるうえでは、疑問や反論が一時的に発生するのは、むしろ「よいこと」なんです。
それは、相手に自分の正しさを押し付けて、無理に納得してもらうコミュニケーションではありません。「正しい」「間違っている」というコミュニケーションからは生産的な人間関係は生まれないと思います。