心霊スポットを訪れた後、体調を崩してしまうのは本当? 幽霊のせいばかりじゃない心理現象 (2/2ページ)

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 「体が重い」「気分が沈む」「倦怠感がある」といった症状については、恐怖体験による筋緊張や、ショック反応と考えることができる。肝試しでは、恐怖で身構え、体をこわばらせてしまうものだ。その結果、翌日以降に体がだるいと感じるのは、ごく自然な肉体的反応と言える。また、恐怖による心理的ショックの反応としても同様に、精神的な疲れとして気分の沈みや倦怠感が表れることもある。

 「霊に取りつかれたかもしれない」という思い込みが、身体症状を引き起こしてしまう場合もある。こうした思い込みによる不調は、個人レベルを越えて仲間に伝播し、集団心理としての効果を引き起こす場合もある。例えば、一緒に心霊スポットを訪れた友人が体調不良になったと聞いた途端、その影響で自分も体調を崩してしまう場合だ。こうした感情や感覚の伝播効果は共感性が高い相手との間で起こりやすいものだが、普段よりもさらにその傾向が強くなるのは、心霊スポットを訪れるという共有体験をしたからこそだ。

 このように、心霊スポットを訪れた後の体調不良の原因は心理現象によって説明できる場合が少なくない。もちろん、心霊現象が原因である可能性も完全否定することはできない。いずれにしても、いわくつきの場所は訪れない方が賢明だろう。
文:心理カウンセラー  吉田明日香
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