似ているようで、やっぱり違う?「冷麦」と「素麺」と「うどん」はどう見分ける?

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似ているようで、やっぱり違う?「冷麦」と「素麺」と「うどん」はどう見分ける?

昔から「暑さ寒さも彼岸まで」なんて言いますが、一雨ごとに晴れた日も涼しさが感じられるようになってきました(関東人の主観です)。

肌寒くなってくると、夏の盛りはしきりに食べたかった冷麦(ひやむぎ)や素麺(そうめん)もちょっと敬遠してしまいがち。

暑い盛りに食べる冷麦。最初の一口が特に美味しい

ところで、冷麦と素麺って何が違うのでしょうか。よくピンク色や緑色の麺が数本入っているのが冷麦とされているものの、それにも意味があるのでしょうか。

今回はそんな冷麦と素麺、そしてついでに、うどん(饂飩)の違いについて調べてみました。

どれも似ているようで、食べてみるとやっぱり違う……それぞれの個性について紹介したいと思います。

太さや製法の違い

JAS(日本農林規格)が示している基準(乾めん類品質表示基準)だと、素麺と冷麦とうどんの違いは「太さ」で分けられています。

素麺:直径1.3mm未満
冷麦:直径1.3mm以上~1.7mm未満
うどん:直径1.7mm以上

ちなみに冷麦については「細うどん」と表示してもよいそうで、このことからも、冷麦は素麺よりもうどんに近い食べ物のようです。

一説には温かくして食べるうどんを「熱麦(あつむぎ)」、うどんを冷やして食べるのを冷麦と呼ぶことがあるように、冷麦とうどんを同じ食べ物と見なすこともあります。

これは冷麦か素麺か

しかし上記の基準は太さを均一にできる機械製麺に適用されるもので、手作りの場合はそう器用には行きません。

そこで作り方の違いを見てみると、素麺が生地を細長くのばして麺にしていく手延べに対して、冷麦とうどんは平べったくのばした生地を切って麺にします。

ただし、素麺と同じ作り方をする手延べうどんも存在し、結局のところは提供者の主観によるところが大きいようです。

色つき麺は冷麦を見分ける印だったが…

そんな曖昧な状態ですから、かつては冷麦と素麺を見分けるのが難しかったようで、冷麦の印として数本の色つき麺を入れていました。

やがて機械の仕分けが発達して取り違える心配もなくなり、冷麦の色つき麺は一時姿を消していったようですが、緑やピンクのアクセントが夏らしい清涼感を引き出し、また子供たちのテンション≒人気が上がるため、冷麦だけでなく素麺にも入れるメーカーも。

確かに子供のころ、素麺や冷麦に色つき麺が入っていると、味の違いもないのに喜んだ記憶があります(皆さんもありますよね?)。

流しそうめんもやってみたい(イメージ)

そろそろ冷やし麺類もシーズンオフになりますが、また来年、盛りつけた麺の中にひとすじ光るピンクや緑の麺が楽しみですね。

※参考:
PHP研究所『これは役立つ!違いのわかる事典』PHP研究所、1997年1月
奥村彪生『日本めん食文化の一三〇〇年』農山漁村文化協会、2009年9月

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

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