今日もまだ行われている10の奇妙な儀式

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今日もまだ行われている10の奇妙な儀式
今日もまだ行われている10の奇妙な儀式

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 夕食のテーブルで塩入れをひっくり返したら、左の肩越しに塩をひとつまみ投げる、なんてことをするだろうか?

 この奇妙な行為は、塩をこぼしたときにあなたの肩の上に忍び寄ると言われている悪魔を追い払うおまじないらしい。多くの著名な悪魔学者に言わせると、こぼれた塩は悪魔の好物だからなのだそうだ。

 この妙な迷信はともかくとして、世界中の人々は何世代にもわたって続いてきた習慣だからという理由で、奇怪としか言いようのない儀式を未だ続けているのだ。

・10. 毒ヘビを素手で扱う:アメリカ南部
 アメリカ南部の敬虔な福音主義キリスト教信者は、実際に生きて、呼吸している毒ヘビを扱う宗教儀式を行う。

 信者たちは、キリストを十分に愛していれば、ヘビには絶対に噛まれないと信じている。比喩的な話ではなく、実際に彼らは毒ヘビを素手で扱う。

 聖書には、マルコによる福音書(16章17~18節)とルカによる福音書(10章19節)に、ヘビを扱うくだりが出てくるのだが、それに由来している。

 おもに、アパラチア山脈のホーリネス教会派、ペンテコステ派、カリスマ派や、ほかのマイナーな福音教会派が行っていた儀式で、メンバーは按手(手を当てて治療すること)や、異言(意味不明なことを話す)、ストリキニーネ(興奮剤)の摂取などの儀式に参加し、強力な毒を飲んでも死なないと信じ切っていた(とはいえ、ストリキニーネ儀式ではやはり多くが死んでいる)。

 しかし、もっとも多くの命を奪ったのは、やはり、毒ヘビを素手で扱う儀式だ。1910年以来、120人もが死に、1936年から1973年の間だけでも35人前後が命を落とした。

 たとえ毒ヘビに噛まれて死なないまでも、ヘビを扱うこうした教区民の中には、手が効かなくなったり、指が欠けたりする者がたくさん出た。

 だが、ヘビを素手で扱った者が死んだとしても、信者たちはそれは信仰心が足りないせいではなく、ただ神の思し召しだと考えた。

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Snake-Handling Pastor Bitten By Deadly Rattlesnake | MY LIFE INSIDE: THE SNAKE CHURCH・9. 磔刑:フィリピン
 この行為も確かに聖書の中に出てくる。キリスト教徒が行うべきこととされていたかどうかは定かではないが、フィリピンの一部のキリスト教徒は本気だ。

 彼らは自らを十字架にはりつけにする。それは、手首に革ひもを巻いて、20分ほどふざけるイースターのお遊びではなく、実際に手首を木の板にきっちり釘づけにするのだ。

 カトリックの指導者たちは、怪我をするとしてこの行為を非難している。

 危険な行為なのは誰が見ても明らかだが、見事な信仰の表われであり、耐えがたい痛みを我慢する驚くほどの忍耐を見せられる行為といえば、確かにそうだ。

 2019年、それぞれ別々の場所で9人の信者がイースターを祝うために実際にリアル十字架にかけられた。

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Man Crucified Every Year | National Geographic・8. レッドエッグ:ギリシャ
 ギリシャのキリスト教正統派のクリスチャンは、ディナーのテーブルでちょっとしたイースターのゲームを行うのが定番だ。このレッド・エッグ・ゲームというのは、ちょっとドキドキもできる楽しいパーティゲームだ。

 キリストが十字架で流した血を象徴して、卵を赤く塗り、それらをバスケットの中に入れれば、ゲームの準備完了。

ルールは以下のとおり。
① プレイヤーはそれぞれ赤い卵をひとつづつ選び、対戦相手を指定する(たいていは隣に座っている人)

② ひとりが"クリストス・アネスティ"(キリストはよみがえった)と唱え、もうひとりが"アリソス・アネスティ"(本当に、彼はよみがえった)と応える

③ "クリストス・アネスティ"と言った人が、自分の持っている卵の端を相手の卵の端に軽くぶつける(相手の卵を割るのが目的)

④ 相手の卵の端が割れたら、勝者は同じ卵の端を使って、相手の卵のもう一方の端を割ろうとする

⑤ まだ割れていない卵を持っている勝者は、べつの相手に挑戦し、最終的に割れていない卵を持っている人がひとりになるまでゲームを続ける

⑥ 全員の卵を割った最後のひとりが勝者となり、その年は幸運に恵まれるという
 けっこう神経を磨り減らすゲームかも。

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photo by iStock

・7. 赤ん坊投げ:インド
 高さ9メートルの屋根から幼い赤ん坊を投げ落とすのは、その子に幸運を呼び込むためと考えられている。インドのカルナタカ州やマハラシュタル州の一部では、今でも一般的な儀式だ。

 ソラプールの町では、この儀式はイスラム寺院バーバ・ウメル・ダルガのてっぺんから行われる。

 子どもは、地上15メートルの高さから投げ落とされ、下で広げられた布でキャッチされる。

 この伝統は、乳幼児の死が増えていることを聞いたイスラム神秘主義者スーフィーが、病気の子どもを投げ落とすことを提案したのが始まりとされるが、現在でも受け継がれている。彼は、"全能の神への信頼"を示すものだと主張した。

 "赤ん坊は、空中に現れたハンモックのようなシートで、奇跡的に安全に抱き留められるから大丈夫"だという。

 現在では、投げ落とすような野蛮なことはせず、子どもは寺院の下に運ばれて、イスラム教徒とヒンドゥー教徒の男たちによって抱きかかえられるだけだという。

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Baby Dropping Ritual in India・6. ガイ・フォークス・デイ:イギリス
 「11月5日を忘れるな。火薬、反逆罪、陰謀を」は、この「焚火の夜」に花火を打ち上げる前にイギリスじゅうで聞こえてくる韻文だ。

 この日のもうひとつの伝統は、子どもたちが粗末なカカシのような人形を持って、一軒一軒訪ね歩き、"ガイにペニーを"と言ってまわる。

 このカカシはガイを表わしている。それから、あらかじめ決められた場所に集まり、このガイ人形を薪の上に置いて、火をつける。

 ガイとは、ガイ・フォークスのこと。12人の男たちと一緒に、国会開会式のときに貴族院の爆破を企て、ジェームズ一世を殺害しようとしたカトリックの陰謀家だ。

 この時期、カトリック以外の国王にも陰謀が仕掛けられていて、この火薬陰謀事件の16年前、15
89年には狂信的なカトリック教徒によって、アンリー三世が暗殺されている。

 だが、この火薬陰謀事件は実行前に発覚し、共謀者たちは処刑された。だから、イギリスの人々は毎年、ガイ・フォークス・ナイトと称して、儀式的にガイ・フォークスを燃やす。長い年月を経ても、恨みというものはなかなか消えないものだ。

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Bonfire 2013 - Burning the Guy・5. 紐結び:世界各地
 ボーイスカウトや海軍は、紐を結ぶのが得意なことで有名だ。しかし、ゾロアスター教徒にはかなわないだろう。彼らは結び目を作るのも解くのも、卓越した腕をもっている。

 熱心なゾロアスター教徒が腰に巻く伝統的なクシュティ(かつてはゾナーといった)は、白い毛糸をきつく巻いた神聖な帯だ。

 3回巻いて前と後ろで二重の結び目をつくり、残りは背中側に垂らす。72本に分かれた糸は、ゾロアスター教の聖書に相当するアヴェスタのおもな典礼ヤスナの72章を表わしている。

 これだけでも、十分に複雑だが、この帯を使って行われる、ニラン・イ・クシュティという日々の儀式は、さらに厳しいものだ。

 信者は、太陽や光源に向かう一ヶ所に立ち、完全に黙ったまま、クシュティを解き、結び直さなくてはならない。

 ひと言でもしゃべったら、儀式をやり直さなくてはいけない。しかも、一日に少なくともこれを3度行わなくてはならない。聖職者は5回も行う。

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Kushti Making Video Frohar Films 2 of 2・4. 指の切断:パプアニューギニア
 彼らにとっては、愛する人を失うことは、自分自身の一部を失うのと同じだ。インドネシア、パプアニューギニア島に住むダニ族の女性たちは、この感情を文字通りに受け取り、リアルに実行している。

 愛する者を失った女性たちは、指先を切り落とさなくてはならなかった。この行為は、死別の悲しみを精神的に表現し、復讐心に燃える死者の潜在的な霊魂を追い払うためでもあった。

 かつては、幼い赤ん坊でさえ、指先を切り落とさなくてはならず、たいていは母親によって噛み切られた。

 大人の女性は、親戚が研いだ石の刃で指を切り落とした。

 現在では、この儀式は違法とされているが、僻地に住んでいる部族はいまだに行っているという噂がある。ダニ族の女性は、指の数が足りない人が多い。

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TRADITIONS AND CULTURE:・3. いちもつパワー:インド
 映画『マグノリア』の中で、トム・クルーズ演じる自己啓発セミナーのカリスマが、"イチモツを敬え!"と叫ぶシーンがある。世界の中では、実際にこれを実践している人たちがいる。

 日本では、毎年春に東京で開催される「かなまら祭り」というイチモツを礼賛する神道の祭りがある。だがインドには、自身のいちもつパワーを見せびらかして、尊敬を集める聖人がいる。

 サドゥというこの人物は、巡礼中のヒンドゥー教の聖職者で、この世の快適さを拒絶し、人生の苦難を自らの精神性の試練として受け入れている。

 ヨガや瞑想で鍛錬を積んだこうした男たちは、ほとんど何も身に着けず、見知らぬ人の親切(もしくは畏怖の念)に頼って生きている。

 さらに、自分のいちもつにロープを結びつけて、小型トラックを引っ張るというようなスタントを行って、それで投げ銭を稼いだりすることもある。

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Indian holy man drags TRUCK with his PENIS in shocking feat to prove religious devotion・2. ボメナ:ブータン
 独自の幸福度指数にこだわっているブータンだが、国の最東端部で続いている「ボメナ」と呼ばれる"夜の狩り"の習慣が、どれほど人々の幸せに貢献しているのかに疑問をもつ人もいるに違いない。

 ブータン文化を研究するドルジ・ペンジョーは、こう書いている。
これは、求愛や性交目的で夜、少年が少女の家にこっそり忍び込む慣習。若者がパートナーを見つけ、結婚するための行為だ。

地元で"ジャイ・ダ・ジョン"(表沙汰になるの意)と呼ばれ、翌朝、少年が少女のベッドにいるところが見つかり、ふたりが夫婦になったことを宣言するのが、理想的なプロセスだ
 ソーシャルメディアの出現によって、この儀式は過去のものなるかもしれない。

 ボメナは性感染症の広がり、望まない妊娠、子供を捨てる父親の増加、レイプの多発などの原因になると危惧する人もいる。

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In Bhutan, No Father Can Mean No Fatherland・1. 去勢されたウシの背で裸でジャンプする:エチオピア
 エチオピアのハマー族の男性の通過儀礼は、去勢されたウシの上で裸になってジャンプすることだ。

 ハマー族にとって、男になるとはどういうことか?

 つまり、結婚できるようになるということだ。この成人式のために盛大なパーティが開かれ、日が暮れるまで 飲めや歌えの大騒ぎになる。

 それから、少年はウシの背中の上で、落ちることなく4回走ることに挑戦する。もし落ちたら、もう一年間、男にはなれずに少年のままでいなければならない。

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Jumping
References:Top 10 Bizarre Rituals Still Practiced Today / written by konohazuku / edited by parumo


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