文在寅大統領「犬の食用禁止」をブチ上げ!韓国内で大激論が勃発 (2/2ページ)
動物愛護団体は大歓迎ですが、当然のこと、生産者側や専門店からは大ブーイングです」
韓国では1986年のアジア競技大会、88年のソウル五輪などの国際大会開催を機に、欧米諸国からの批判を避けるため、ソウル市で犬肉販売が禁止され、店舗は大通りから裏路地に追いこまれた。
「とはいえ、韓国では食肉用として育てた犬を処理して食べることに違法性はありません。中高年男性の間では、滋養強壮、精力増強の源として今でも根強い人気があります。ただ、若者の間では犬肉食に嫌悪感を抱く者も多く、あるアンケートによれば、20代〜30代の約8割が『犬肉を食べたことがない』『好んで食べたいとは思わない』と回答しています。今回なぜ、文大統領が『犬肉食の禁止』に言及したのかはわかりませんが、任期満了を前に、これまで誰も手を付けられなかった問題に着手することで、歴史に名を刻みたいという思いがあるのかもしれません。ただ、『民族の食文化を冒涜するつもりか』との批判もあり、とても数カ月で白黒がつく問題ではない。そのため国民からは、大統領の思い付きのパフォーマンスとの声も上がっています」(前出・ジャーナリスト)
かつて、韓国のラジオ番組に電話出演したフランス人女優のブリジット・バルドーが「犬肉を食べる韓国人は野蛮人だ」と主張。「フランスにも犬肉を食べる人がいることを知っているか」との問いに、バルドーは「そんな事実はない」と激怒し、「そんな嘘を言う韓国人とはこれ以上話せない」として電話を一方的に切ってしまったというエピソードもある。日本、アイスランド、ノルウェーの鯨食にも国際的批判があるように、国や民族によって食文化は異なるため、理解する上での難しさがあるのは事実だろう。
そんな中、文大統領が国内から投じた一石。任期まで半年で、どんな結果をみるのだろうか。
(灯倫太郎)
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