「怪物」松坂大輔、「ハンカチ」斎藤佑樹も目前で…長嶋茂雄に王貞治…プロ野球レジェンドたちの「泣ける!」引退名言プレイバック (2/3ページ)
最終打席も遊撃への併殺打に終わりました」(元巨人担当記者)
実は、この年のミスターは、川上哲治監督から「生涯打率3割のためにも引退したら、どうだ」との“勧告”を事前に受けていた。
■王貞治の“別次元”な引退理由
その頃のベンチ裏での様子を、V9の盟友・黒江透修氏が、こう述懐する。
「まだ続ければいいのに、と声をかけたら、“もういいだろ、黒ちゃん。今度はネット裏から見させてもらうよ”ってことを言ってたな。それで私もロッカーで、“チョーさんも今年で終わりかもしれんけど……”と、若い連中に檄を飛ばしてね。ミスターとワンちゃんが、それを無言で頷きながら見ていたのは覚えてるよ」
ちなみに、黒江氏によれば、ミスターが“不滅”としたのは、その精神。それらは今の巨人にも連綿と受け継がれているという。
「先輩の言葉は素直に受け入れ、練習となればベテランこそが誰よりもバットを振る。そういった姿勢は、チームリーダーの坂本勇人あたりを見ていても感じます。引退報道のあった亀井善行にしても、ワガママを言ってもいい立場なのに腐らずに、よくやっている。OBとしてはうれしいよね」
一方、別次元の存在だと、自ら印象づける言葉でバットを置いたのが王貞治。
「30本も打ったじゃなく、30本しか打てなかったからもう限界なんですよ」
最終年の80年シーズンも、30本塁打、84打点はチームトップ。それでも当人の決意は固かった。
「王さんいわく、投手からの牽制球への反応一つにも以前のような軽さがなくなった、と。