弟子入りから60年、生涯現役の職人が生み出した若狭の新しい塗箸、絶賛販売中。「彩筆箸 結晶」をECプラットフォームで取り扱い (2/3ページ)
的場政義氏は弟子入りしてから「研ぎ出し」という伝統技法で、箸を20年以上作り続けました。その後「筆描き」という技法を取り入れ、可能性を広げていきました。
的場氏は、幼い頃から毎日のように絵を描いており、箸をキャンパスに見立てて創作活動を行う感覚でした。新しいアイデアが浮かぶと夜中まで工房にこもって試行錯誤を繰り返し、生涯に500種類以上の作品を残しています。「結晶」と名付けられたこのシリーズは、的場氏が生み出した若狭の新しい塗箸です。
的場氏は枠にとらわれることなく、自由な発想で箸作りを行いました。「今までにない、自分の箸を描きたかった。それが筆なら出来ると思った」と語っています。
箸作りに没頭する一方で、ボウリング、社交ダンスや歌などの遊びにも全力で取り組む一面がありました。その遊びで得た気付きを、箸作りに生かしていたのです。代表作「夜空」には、繊細な美しさの中に華やかな遊び心があり、手に取る人によって異なる印象を受けます。そこには「自分が美しいと思った瞬間を箸作りに生かしたい」という箸への愛情が隠されています。
機械で生産する方法もありますが、一貫して手作業での制作を続けました。手仕事へのこだわりを持ちつつ、食洗機への対応、箸先のすべり止め加工といった、お客様が使いやすくするための工夫は積極的に取り入れています。
「自分の子供たちをたくさんの人に使ってもらいたい」という想いの表れです。的場氏亡き後、その技術は弟子の藤井祐也氏に引き継がれ、藤井氏が結晶シリーズの制作を続けています。お箸に人生をかけた的場氏の想いが込められた箸が、今後も多くの方に届くことを願っています。