10月と12月に挟まれ、なぜか印象の薄い?11月の旧称「霜月」ほか、別名を紹介!
10月31日のハロウィンが終わると、世間はすっかりクリスマスムードに染まります。12月のクリスマスまであと1か月以上もあるのに、なんだか助走というか、おまけ扱いされがちな11月。
旧称にしても、神様たちが出雲へ大集合する神無月(かんなづき。10月)と、年末の慌ただしさMAXな師走(しわす。12月)に比べて、やっぱり何となくおとなしめな霜月(しもつき)。
そろそろ寒くなって霜が降りてくるから霜月なんだろうな、とは思いますが、本当にそうなのでしょうか。
今回はそんな11月の旧称「霜月」をはじめ、他の別名についても紹介していきたいと思います。
食物?凋む?一年の末?霜月の語源あれこれ霜が降りはじめ、見られるようになるから霜月……またの名前を霜降月(しもふりづき)、霜見月(しもみづき)とも言うように、本格的な冬の訪れを感じる11月ですが、しもつきの語源にはそれ以外にもあるそうです。
食物月(おしものづき)その年の収穫に感謝する新嘗祭(にいなめさい。11月23日)が斎行されるため、食物(おしもの)に感謝する月「おしものづき」が、オシャレで季節にマッチした「お霜の月」に転じ、さらに短縮されて「霜月」になったという説。
凋月(しぼむつき)
どんどん寒くなり、草花がしぼんでいく様子を表していますが、これが訛った「しもつき」にやはり優美な霜月を当てたという説。
末津月(すえつつき)一年の末だから「末の月」……12月が最後じゃないの?と思ってしまいますが、旧暦11月(新暦でおおむね12月)には冬至(とうじ。一年間で最も日が短い=夜が長い)があり、古くはこれが一年間の最後と考えられていました。
他にも諸説あるようですが、この中のどれが正解というよりは、こうした諸説が入り混じっていく内に、文字も響きも美しい「霜月」にまとまり、定着していったものと考えられます。
神帰月、雪待月、陽復……使ってみたい11月の別名あれこれ他にも11月の別名はたくさんあるので、それぞれ見ていきましょう。
神帰月(かみきづき)全国の神様たちが出雲へ行ってしまい、地元からいなくなる神無月(かんなづき。10月)に対して、一か月間の縁結び会議を終えて地元へ帰ってくるから神帰月(神来月)。
無事に帰って来てくれた神様がたをおもてなしするためか、神楽月(かぐらづき)という別名もあります。
建子月(けんしげつ)北斗七星の先端にある星が真北の方角(子-ね)を指すため、古代中国においては11月をこう呼び、一年の始まりとしたそうです。
以降、毎月十二支を当てて建丑月(けんちゅうげつ。12月)、建寅月(けんいんげつ。1月)と数え、最後は建亥月(けんがいげつ。10月)で一回りとなります。
仲冬(ちゅうとう)旧暦では1~3月を春、4~6月を夏、7~9月を秋、そして10~12月を冬としており、冬の中でも二番目にくる月なので仲冬(仲は次男の意味)と呼ばれました。
ちなみに一番目の10月は孟冬(もうとう)、3番目の12月は季冬(きとう)と呼ばれ、それぞれ「はじめ(長男)」「すえ(末子)」の意味があります。
畢辜(ひっこ)ちょっと見慣れない、難しめな漢字ですが、畢(ひつ)とは終わりを表し、辜とは「無辜の人々」などと言うように、罪を指しています。
「罪が終わる」とは深い夜闇に包まれた冬至を罪やケガレに見立て、やがて一日ずつ昼が長くなっていく一陽来復の希望を表しているのでしょう。
雪待月(ゆきまちづき)雪国の皆さんから怒られてしまいそうですが、どんよりと曇り空が続いて、雪が降りそうでふらない、そんな情景が目に浮かぶようです。
また既に降り始めたところでは雪見月(ゆきみづき)とも呼んでおり、本格的な冬支度を急がねばなりませんね。
陽復(ようふく)これは冬至が過ぎて、日が徐々に長くなる一陽来復(いちようらいふく)の略称で、陽(ひ)が復(かえ)るという響きには、神様が帰って来る神帰月の喜びにも通じるようです。
終わりに以上、11月の旧称である「霜月」はじめ別名について紹介してきました。

ハロウィンが終われば、すぐにクリスマスがやってくる?(イメージ)
ハロウィンとクリスマスに挟まれて何だか印象の薄い11月ですが、あまり派手なイベントごとがない分だけ、しみじみと季節の移ろいが感じられるような気がして、筆者は好きです。
本格的な冬を前に、短かな秋の名残を味わい、限られた人生のひとときひとときを大切に過ごしたいものですね。
※参考文献:
岡田芳朗ら『現代こよみ読み解き事典』柏書房、1993年2月 角川書店 編『俳句歳時記 第五版 冬』角川書店、2018年11月 藤井正雄『新版 神事の基礎知識』講談社、2001年3月日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan