令和3(2021)年の立冬は11月7日。誰もが当たり前に使っている「冬」の語源を紹介!

Japaaan

令和3(2021)年の立冬は11月7日。誰もが当たり前に使っている「冬」の語源を紹介!

早いもので今年も残すところ2ヶ月を切ってしまい、ようやく秋らしい陽気を楽しめると思ったら、冬の足音がすぐそこまで聞こえてきました。

それもそのはず、11月7日は冬の始まりを示す「立冬(りっとう)」、まさに暦どおりと言えるでしょう。

そろそろ紅葉の季節(イメージ)

この立冬は秋分の日と冬至のちょうど中間にあり、年が明けて立春の前日までが冬となります(※だいたい毎年11月6~8日で、年によって若干異なります)。

四季よりも細かく…1年間を24個に分けた日本の季節「二十四節気」とは?

ところで私たちは、この季節を冬、冬と当たり前に呼んでいますが、どうして「ふゆ」と呼ぶようになったのでしょうか。

今回はそんな冬の語源について諸説を紹介したいと思います。

「ふゆ」の語源は「冷ゆる」から?

冬と言えば、寒い季節……冬の語源も、そこに由来するものがほとんどのようです。

冷ゆ:気温が低く、冷える季節だから古語で「ひゆ(る)」、それが転じて「ふゆ」。最もシンプルゆえか、有力な説とされています。

朝晩寒くて、震える季節(イメージ)

震ゆ:寒くてガタガタ震える様子「ふるゆ」が短縮されて「ふゆ」。あまりの寒さに、舌がもつれてしまったのかも知れません。

振ゆ:寒さが猛威を振るう「ふるゆ」が縮まって「ふゆ」のようですが、寒さに震える方が説得力が感じられます。

殖ゆ:増殖などと書くように「増える」の意。何が増えるのかと言えば、春に向けて芽生え、繁殖するための力を蓄え、殖やすのだとか。

いずれも末尾を「~ゆ」とするヤ行下二段活用ですが、これであれば古ゆor旧ゆ(ふゆ。一年が終わって古くなる季節)や経ゆ(ふゆ。同じく年を経る)、あるいは「つひゆ(費える、潰える。太陽の気が弱くなる季節)」などとも考えられそうですね。

「冬」は保存食?糸の結び目?

せっかくなので冬という漢字についても、その成り立ちを見てみましょう。

冬のつくりは象形文字に由来し、上部が保存食をつくるために食糧を吊るした様子を、下部の冫(にすい)は氷を表していると言われています。

保存食として、吊るされた干し肉(イメージ)

また別説として、この漢字全体が糸の末端を結んだ結び目を表し、一年の結末、終わりの季節を表す「ふゆ」に当てたとも言われるようです。確かに「一年の締めくくり」などとも言いますね。

昔から「冬来たりなば、春遠からじ(意:冬が来たのであれば、春は遠くない)」と言うように、寒くて厳しい冬が来れば、必ず春はやって来ます。

人生も同じことで、困難な時期を乗り越えれば、必ず春は巡り来ると信じて、日々精進して生きたいものです。

※参考文献:

阿久根末忠ら編『現代こよみ読み解き辞典』柏書房、1993年3月 小松寿雄ら編『新明解 語源辞典』三省堂、2011年8月 武光誠『日本人も知らない やまとことばの美しい語源』河出書房新社、2018年4月 辻井京雲『図説 漢字の成り立ち事典』教育出版、1993年10月

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

「令和3(2021)年の立冬は11月7日。誰もが当たり前に使っている「冬」の語源を紹介!」のページです。デイリーニュースオンラインは、立冬古語11月語源カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る