早く藤原泰衡を討ちたいが…迷える源頼朝に決断を促した武将・大庭景能の進言 (2/3ページ)
「いいからやっちまえばいいんだよ!朝廷への言い訳はやっちまった後で考えればいいんだ!」
「そうも行くまい。だいたい兵を動員するにも、朝廷のお墨つきがあるとないでは集まりも士気も大違いぞ」
「かと言って、朝廷から院宣をいただく交渉は難航しているし……」
いつまでも時間を浪費していたら、泰衡を討つ好機を逸してしまうが、焦って院宣を得ぬまま奥州へ攻め込んだ場合、下手をすれば朝廷の許可なく私戦を始めた逆賊とされるリスクがある……困り果てた頼朝公は、大庭景能を御所へ招きました。
菊池容斎『前賢故実』より若き日の大庭景義(景能)。馬の首に身を沈めている様子
「そなたを古今の兵法や故実に通じた知恵者と見込んで、どうにかよい策を授けてくれぬか」
すると景能は、事もなげに即答します。
「古来『軍中にて大将の命令は天皇陛下の勅命よりも優先される(軍中聞將軍之令不聞天子之詔)』と申します。