古代ローマ時代のはりつけ刑の証拠か。かかとを貫く釘が刺さった骨を発見

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古代ローマ時代のはりつけ刑の証拠か。かかとを貫く釘が刺さった骨を発見
古代ローマ時代のはりつけ刑の証拠か。かかとを貫く釘が刺さった骨を発見

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image credit:Albion Archaeology / Adam Williams

 英国東部ケンブリッジシア州の住宅開発予定地で、およそ1900年前の男性の骨格が発見された。最初は、特になんの特徴もない骨のように思われた。

 ところが、考古学者チームが研究室に戻り、良く調べてみると、鉄の釘が踵(かかと)の骨を貫いていたことが判明した。

 この骨は、古代ローマ時代、ヨーロッパ北部で「はりつけの刑」が行われたことを示す初の物的証拠であると見られている。

・かかとに釘が貫通していた男性の遺骨
 ローマンケンブリッジとゴッドマンチェスターの間にある、ローマ時代の集落フェンスタントン周辺の5つの墓地のうちのひとつで、人体骨格が発掘された。

 分析の結果、この骨は、死亡推定年齢25~35歳の男性のものであることが分かった。

 遺骨は棺の安置台と思われる木製の構造物がある墓の中で、胸の上で腕を交差させて埋葬されていた。

 この遺骨をベッドフォードの研究室に運んで調べたところ、ぞっとするような事実がわかった。鉄の釘が踵の骨を貫いていたのだ。

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発掘された男性の骨格 image credit:Albion Archaeology / Adam Williams

・はりつけの刑で処刑された証拠
 はりつけの刑は、犠牲者を大きな木の梁に縛りつけ、そのまま死ぬまで放置する死刑の方法だ。

 犠牲者の体を「はりつけ」にするのにはたいてい縄が使われるため、釘が使用されるのは珍しい。さらに、このような形で死刑になった者が正式に埋葬されることもまれだ。

 時間をかけて詳しく分析したところ、やはりはりつけの刑により処刑されたとしか思えないこと
が判明し、その詳細は『British Archaeology』誌に発表された。

 問題のこの遺骨は、2017年11月に発見されたが、泥にまみれていたため、誰も釘には気づかなかった。

 遺骨は袋に入れられて研究室に運ばれ、洗浄されて初めて、踵の骨の両側に、釘が数センチ突き出ていることがわかったという。

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image credit:Albion Archaeology / Adam Williams

 発掘を行ったアルビオン考古学博物館のプロジェクトマネージャー、デヴィッド・インガム氏は「考古学的に発掘された骨に釘が打ち込まれているのが発見されたのは、これが初めてのことです。こんなものが見つかるとは、誰も思わないでしょう」と語る。

「はりつけの刑が、いつ、どこで、どのようにして行われたのか、歴史の記録からそれなりに知っているつもりでした。でも、どのように行われたかを実際に目の当たりにできる具体的な証拠が出てきたのは初めてです」

 現地以外で分析を行った、ケンブリッジ大学の著名な考古学者コリーヌ・デュヒーグ氏は、釘が使われた理由は、はりつけの刑であるがゆえのことだという結論に至った。

 はりつけの刑にされた犠牲者の遺体が引き取られて集落に運ばれ、ほかの死者と一緒に埋葬された
ことも極めて異例で、注目に値する。

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発掘された男性の骨格 image credit:Albion Archaeology / Adam Williams

・はりつけの刑に処された理由や遺骨の身元は不明
 はりつけの刑に処された理由や、この犠牲者の身元は知る由もないが、ローマ人は、奴隷や反逆
者、下層階級の人間にはりつけの刑を行ったと考えられている。

 この男性は、右の踵骨に鉄の釘が刺さっていたわけだが、これは、直立した木材の両サイドに打ち込まれたものだという。

 処刑場はどこだかはわからないが、おそらく道路脇など、遺体が見つかった場所とはべつの場所だと思われる。

 この発見は、北ヨーロッパでは唯一のはりつけの刑の物的証拠だが、世界では4番目で、そのうち
の2例では釘は使われていなかった。

 今回見つかったものと同じ位置に釘が刺さった踵骨は、1968年にイスラエル建設業者によって偶然発見されたが、保存状態が悪く論争の原因となった。

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アルビオン考古学博物館が、骨が発見された場所を発掘調査したのは、住宅開発の計画承諾のためだった。 / image credit:Albion Archaeology / Adam Williams

 男性の骨は、放射性炭素年代測定によって、紀元130~360年の間のものとされ、DNA分析では、その現場から発見されたほかのどの遺骨とも遺伝的な関係はないという。

 イングランドにもともと住んでいた先住民だったのかもしれない。

 また、男性が奴隷だった可能性を示す証拠があった。まるで長い間、足枷をはめられていたかのように、脛はやせ細っていたという。

 だが、これは決定的なことではなく、男性は別の理由で閉じこめられていた可能性はある。

 現在は完成している住宅開発の計画承諾のために行われた考古学発掘調査中に、現場で発見された48体の遺骨のうちのひとつがこの男性のものだった。

 インガム氏は、釘が刺さった踵の骨の3Dレプリカが、ケンブリッジにある考古学・人類学博物館に展示されることを期待している。

 集落からは、その他にも化粧品や石鹸の原料として、家畜の骨髄を工業的に加工していたらしい珍しい証拠も発見されている。

References:Best physical evidence of Roman crucifixion found in Cambridgeshire | Archaeology | The Guardian / written by konohazuku / edited by parumo


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