会社から自由になる生き方 実現に必要な「学び」とは? (2/2ページ)

新刊JP

もともとは大手システム会社でプログラマーをしていた倉貫さんは、ソフトウェア納品後の改善に柔軟に対応できる方法を探して「アジャイル開発」というキーワードに出合った。今ではシステムやソフトウェア開発で主流になっている手法だが、当時は社内でそれを学ぶのは難しかったという。

そこで倉貫さんが考えたのは、会社から離れて外の世界を見てみることと、ブログを通して情報発信をすることだった。社外の勉強会に参加し、様々な経歴や経験を持つ人と交流することで、アジャイル開発を知る人と議論できたばかりか、キャリア全体に関わる気づきも得られた。また、仕事での体験談を発信すると、共感してくれる人からアクセスがあり、新たな出会いが生まれることも。こうした活動を続けるうちに、会社が敷いてくれた路線を走り続ける以外の選択肢が、現実感を伴ってきたという。

こうして起業するにいたった倉貫さんだが、「遊ぶように働く」をキーワードにユニークなワークスタイルを確立している。会社員時代、管理職になってプログラミングの現場を離れることに抵抗があり、人事異動など会社の都合で気に入っていたチームから引き離されてしまうことに割り切れない気持ちを抱えていた倉貫さんにとって、会社経営は「仲間と好きな仕事を続けていきたい」という願いを叶えるための手段。だから企業規模の拡大も株式上場も目指していない。

仕事が早く終わっても、次の仕事を振らず「お金にならなくてもいいから、好きなプロジェクトに取り組んでいい時間」を付与している。給与面で差はつきにくいが、仕事が早く終われば好きなことができるため仕事へのモチベーションは上がり、好きな仕事の中から事業化するものが生まれる。「遊ぶように働く」ことが会社に好循環をもたらしているのだ。

倉貫さんが会社員時代に思い立った社外の世界を知る取組みも、情報発信も、広い意味での「学び」だ。倉貫さんの今のワークスタイルは、上から課されたものではない主体的な学びの先にある。

本書には他にも独自のワークスタイル、ライフスタイルを手に入れた人のエピソードが紹介されているが、共通するのは、自分で自分の価値観を揺さぶろうとするかのように、未知のものに触れ、未知の場所に飛び込んでいること。これこそがこれからの学びに必要なのだろう。

年末ということで来年の過ごし方に思いをはせている人は多いはず。歳を重ねても自分の可能性を広げていくために、本書は役だってくれる。人材育成や従業員のモチベーションアップなど、企業側にも示唆の多い本書。年末年始にじっくり読んでみてはいかがだろう。

(新刊JP編集部)

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