癌告知から亡くなる迄の日々を娘が撮影した映画 エンディングノート (2/2ページ)
また、がんが消えると言って、家族が大量のにんじんジュースを飲ませるという次女の言い方がなんとも面白いシーンもある。
■To do.3 自民党以外に投票してみる
ここでは主人公の妻について語られている。若い頃は喧嘩も多く妻との関係もあまりよくなかったようである。その後、定年を迎え、転勤により空き家になってしまった息子の家に管理人という名目で住むことになり、妻とは別々の生活をする。週末だけ落ち合う週末婚をスタートし、40年ぶりに一人暮らしを行ううちに、喧嘩が絶えなかった妻との間に今までなかった穏やかな時間を感じるようになる。そんなさなかにがんの告知を受けてしまうのだ。
■To do.4 葬式をシュミレーション
3番目の孫が誕生して2週間後、主人公の誕生日を祝うシーンがある。ここでは、彼がどうして教会で式をするのかが語られている。理由として挙げているのは、会場が好印象・自宅と距離が近い・コストがリーズナブル(推測)という。
■To do.5 最後の家族旅行
名古屋で一人暮らしをしている94歳の母も一緒に家族旅行に行くシーン。女性陣が買い物をするなか、一人寂しそうに取り残される場面も描かれている。彼が最後の家族旅行に、伊勢志摩を選んだ理由が、昔食べて忘れられなかったあわびステーキを食べるためである。そして、洗礼を受ける話を母にするという目的もあったようだ。
■最後に
主人公の砂田知昭さんは、亡くなる直前まで、家族にあたたかく見守られ享年69歳という若さで亡くなった。後半では病室ではじめて妻に愛していると言ったシーンや、ベッドの上で洗礼を授けたのがずっとカメラを回していた次女だった事、アメリカにいた長男家族も駆けつけ、もう一度孫と遊ぶ姿が描かれ、家族の愛の深さに感動を受けた。ほんとうに最後まで描かれたこの映画に、筆者は涙が止まらなかった。エンディングノートは、生きているうちに自分の老後や死後についての希望や家族に気持ちを伝える方法である。もちろん書いた本人が自分らしい最後迎えるために、今までの人生を振り返るためのものでもあるが、残された家族の中で生き続けるために必要な存在でもあると、映画を通し改めて感じたことである。ご家族でぜひ、ご覧になっていただきたいと思う。
■映画「エンディングノート」
2011年制作 配給:ビターズ・エンド
監督:砂田麻美
製作・プロデューサー:是枝裕和
■エンディングノート 公式HP