運命の人のはずでは……? 突っ走り過ぎた恥ずかしい失恋エピソード (2/4ページ)
まさかあんな結末になろうとは、この時誰も知るよしもなかった―――。
■待っていたのはすがすがしいほどの地獄
しかし、待てど暮らせどS先生からの返事はない。ちゃんと送れてなかったのかな? と送信ボックスを確認すると、間違いなくきちんと履歴がある。「センター問い合わせ」を死ぬほどしつつ丸1日が経ったとき、先生から返事がきた。そこにはたった一言こう書いてあった。
「ご褒美が無いと勉強ができないのはありえないと思います」
この世は地獄なのか?
何かの冗談かと思い、「からの~?」と言いながら何度も文面を読み返したが、何度読んでも完全に振られている。スクロールしていくと一番下に「な~んちゃって! ご褒美、あげま~す! ピロロロロ~ン!」とか書いてあるやつかなと思って下にスクロールしても何もない。
告白もしていないのに振られることって、あるんだ。ツタンカーメンもびっくりの脈なし。なんなら嫌われている。この仕打ちは何? 前世で盗みでも働いた? 少女漫画であれば宣言通りテストで高得点を叩き出してご褒美デートにこぎつけ、二人で映画を見に行った帰りにゲリラ豪雨に見舞われてしまって「うち、来る……?」となる展開だが、現実は「ご褒美がないと勉強ができないのはありえないと思います」。そんなことある?
17歳にして初めて味わった心の底からの恥ずかしさ、そして絶望だった。私が太宰治だったらこの勢いで人間失格を書き上げていたと思う。
地獄の失恋から一夜明け、私はS先生に接触することをやめた。意図的にやめたというか、もうなんか恥ずかしすぎて顔を合わせられなくなった。あんなに足繁く通っていた職員室の前には足が向かなくなり、隣のクラスを覗くこともしなくなった。廊下ですれ違いそうになっても、気まずくて避けてしまうようになった。毎日の通学電車ではYUIの「CHE.R.RY」を聴いていたけど、この日以降は鬼束ちひろの「月光」を無限ループすることとなった。こんなもののために生まれたんじゃない……。
でも、もしかして。