「運は自分で引き寄せる!」試してみたい?決戦を前に勝負を賭けた戦国武将・織田信長の験(ゲン)担ぎ
物事のなりゆきや成否について、よく「運がいい、悪い」などと言うことがあります。
「運よく成功できた」「運悪く失敗してしまった」などなど。しかし大抵の場合、運なんていうのは後づけで、成功すれば運がいい、失敗すれば運が悪いと思うもの。
つまり運は結果と連動しており、ならばあらかじめ「運がいい」という前提を用意できれば、結果がついてくる可能性が高まりそうです。
いわゆる「ジンクス」や「占い」がそれで、試験や試合などの前にカツ(勝つ)カレーを食べたり、神社仏閣でお守りを買ったりなどした方も多いのではないでしょうか。
かつて戦国武将たちも御家の命運を賭けた戦さを前に、占いや験(ゲン)担ぎを行っており、今回は織田信長(おだ のぶなが)のエピソードを紹介したいと思います。
決戦前、コイントスで勝敗を占うある時、信長が少数の兵で10倍の敵に臨まねばならないことがありました(資料には言及がないものの、桶狭間の戦いと推測)。
さて、出陣を前に信長は戦さの勝敗を占うため、主だった者たちを一堂に集めて言いました。
「よく聞け。これからこの銭を投げて天意を問う。裏が出たならば我らの敗北は必定、どこへ逃げ出そうと罪には問わぬ。しかし表が出たならば、天佑神助は我らのもの、必ずや勝利を収めるであろう」
まさに乾坤一擲、家臣たちの視線が信長の手に集まる中、銭は放られくるくると舞い……出たのは表の面でした。
イメージ。Wikipediaより(撮影:Galopin~commonswiki氏)
「表だ!」「表だ!」
「天は我らに味方しておる、この戦さ、我らが勝利間違いなしじゃ!」
「「「おおぅ……っ!」」」
果たして戦さは大勝利。喜色満面で家臣の一人が信長を祝います。
「いやぁ、見事な強運ぶり。さすが天に愛された方は違いますなぁ……」
それを聞いた信長は、懐中より一枚の銭を取り出して見せました。
「これをやろう」
渡されたその銭をよく見ると、どっちの面にも表が刻まれています。
「これは先刻の……」
「そうじゃ。占いなんぞ単なる気休め。それでも気分一つで幾倍もの働きをするのであれば、神でも仏でも利用せぬ手はあるまいて」
要するにイカサマですが、嘘も方便というもの。以来、信長は天下人への道を歩みだすのでした。
終わりに運は自分で引き寄せるもの。このエピソードの真偽はともかく、信長だったらやりそうな気がしますね。
必要ならば、たとえ神意であろうと変えてみせる……どんな状況にあっても知恵を働かせ、最善を尽くすことで道が開けることを教えてくれているようです。
※参考文献:
野末陳平 監修『マンガ 禅の思想』講談社+α文庫、1999年4月
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