愛する人の死に直面するとはどういうことか 葬儀の意義とは (3/3ページ)
「人生の意味」の喪失は科学的世界観が宗教的世界観を圧倒したことが大きな要因であると思われる。なぜなら人生に意味が付与されているとすれば、付与しているのは何か。それは人間存在を超えた大いなる何かを信じざるをえない。そのような世界観が受容できれば「千の風」のような失った者がどこかにいるという物語が単なる慰めのおとぎ話ではなく、リアルなものとして感じられることが期待できるのではないか。
■改めて考える葬儀と死生観
葬儀不要論、簡易化が盛んに展開されているのは時代の流れかもしれない。加えてコロナ禍において生活が傾いた人も大勢いる。その点では手放しに伝統的な葬儀形式を擁護することは難しい。その上で葬儀という行為そのものには、生死の意味を考えさせるという場としてのという意義があると信じたい。21世紀もまもなく四半世紀を迎えようという現代において、改めてその意義を考える価値は大いにあるだろう。