ナノ粒子で睾丸を加熱。新たな男性用避妊法 (3/4ページ)
ただし、完全に元通りではない。それでも、精子や生まれてくる子供の大きさには特に違いはなかったという。
また都合がいいことに、睾丸内にずっと残り続ける金ナノロッドと違い、鉄ナノロッドは肝臓や脾臓から少しずつ排出される。その分、長期的な毒性のリスクは低いと考えられる。
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・まずは動物の去勢、そして人間へ
このナノ避妊法は、差し当たって人間ではなく、ペットや家畜などの動物にメリットがありそうだ。
じつは、家畜や動物園の動物などを対象とした避妊薬の研究はあまり進んでいない。製薬会社がそうした動物用に避妊薬を開発する旨味が少ないからだ。家畜は屠殺されて消費されるから必要ないし、動物園の動物では市場が小さすぎる。
だがナノ避妊法が完成すれば、去勢手術によらずに動物の繁殖をコントロールするツールとして重宝されるかもしれない。また研究グループによれば、中国ではすでにペットの猫に利用されているとのことだ。
いずれにせよ、ナノ避妊法を広く普及させるには、安全性、痛みの有無、生殖力の回復など、きちんと検証しなければならない点がまだある。
人間の男性に使えるようになるのは、そうした点がクリアになってからのことだ。
この研究論文は、『Nano Letters』に掲載された。