海軍の誇りよ蘇れ!不死鳥のごとく復活したその駆逐艦の名は…「梨」!? (2/3ページ)
そしていわば「海の特攻隊」である「回天」を背負った『梨』には優先的に燃料が回されるようになりました。
しかし7月28日には、山口県の平郡島沖で停泊しているところをアメリカ海軍の艦載機に急襲され、沈没します。その時の死者・行方不明者はあわせて60名にのぼりました。
『梨』から『わかば』へ…その数奇な運命本来ならここで「梨」の一生は終わるのですが、沈没したのが浅瀬だったこともあり、1954年には民間企業が引き上げて屑鉄として再利用しようとします。
この時、沈没からすでに9年が経過していましたが、船体の状態が非常によかったことから、当時の防衛庁が買い取ることになりました。そして広島県の呉で再整備を行い、発足したばかりの海上自衛隊に護衛艦「わかば」として配属されることになったのです。
これについては、無駄なコストをかけているとして国会でもだいぶ追及されたようです。最新鋭ではない駆逐艦を引き上げて再就航させるよりも、一から新しく護衛艦を建造する方がいいのではないかと予算面で問題されたのでした。
しかし、当時の防衛庁は一貫して「梨」の再就航にこだわりました。
発足したばかりの海上自衛隊でしたが、旧日本海軍の正統な後継者として誇りをもって組織を育てていこう、という思いが防衛庁にはあったのでしょう。
当時の海自には旧日本海軍の軍人が多く在籍していました。よって、海軍軍人としての誇りを守り士気を高めるためのシンボルとして、「梨」を再利用することは必要だったのでしょう。
その後『梨』は『わかば』と名を変え、海上自衛隊が所有する唯一の旧海軍駆逐艦として活躍することになります。