「鎌倉殿の13人」まさかのコミカル展開(笑)今日からお前らみんな武衛だ!第8回「いざ、鎌倉」振り返り

Japaaan

「鎌倉殿の13人」まさかのコミカル展開(笑)今日からお前らみんな武衛だ!第8回「いざ、鎌倉」振り返り

上総介広常(演:佐藤浩市)の加勢を得て一気に膨れ上がった源頼朝(演:大泉洋)の武士団。

しかし所詮は寄せ集め集団、かつて敵同士だった者や待遇に不満を持つ者など、まとめ上げるのに一苦労です。

頼朝と御家人たちの板挟みになっていた北条義時(演:小栗旬)は酒宴を企画、これによって武士団の結束は高まったのでした。

呑みニケーションで、団結強化(イメージ)

広常「今日からはお前らも武衛だ。みんな武衛だ」

頼朝「それは、どういうことかな」

広常「いいんだよ。俺のことも武衛って呼んでよ。さぁ、武衛同士飲もうぜ!」

一同「お、お~!」

武衛(ぶえい)とは兵衛佐(ひょうゑのすけ)の異名で、転じてその官職を持っていた頼朝の敬称。

これを三浦義村(演:山本耕史)が広常に愛称だと吹き込み、上記のコミカルな展開となったのでした。

しかし「ブエイ、武衛」と心を開いていく広常に対して、頼朝は……相変わらず頼朝だったようです。

(正直なところ、保元・平治の乱で源氏に与して≒少なからず京都文化に通じていた広常が武衛の呼称を知らないとも思えませんが、そこは「武衛同士のよしみ」でお見逃し下さい)

源氏の白旗をたなびかせ、いざ鎌倉(イメージ)

無事に鎌倉入りを果たし、北条政子(演:小池栄子)らと感動の再会を果たした頼朝は和田義盛(演:横田栄司)と畠山重忠(演:中川大志)に仇敵・伊東祐親(演:浅野和之)の討伐を命じます。

このままでは、八重姫(演:新垣結衣)の命が危ない……義時と義村は伊東の地へと急行するのでした。

……頼朝の武士団もどんどん膨れ上がり、御家人たちの顔ぶれも多彩になってきた第8回「いざ、鎌倉」。

ここでは他の者たちについても振り返ってみたいと思います。

源義経(演:菅田将暉)

前回ついに奥州平泉を発ち、頼朝の元を目指す義経。道中に兎を射止めたと思ったら刺さっていたのは他人の矢。

矢比べを提案し、敵が矢を放った隙に射殺す策士ぶりに、後の活躍を期待させます。

勝てばいいんです、どんな手であれ勝ちさえすれば。

鎌倉を目指す義経たち(イメージ)歌川国貞「牛若丸 弁慶」

いよいよ鎌倉に近づいた時に鍋一杯の里芋を献上され、弁慶(演:佳久創)はじめ家来たちが上手く箸を使えず苦戦していると、義経は握り箸で芋を串刺しに。

実にワイルドと言うか下品ですが、この気取らないスタイルが家来たちとの団結を生み出したのかも知れません。

気まぐれに「富士山に行こう!」「海を見に行きたい!」など、あっちへこっち振り回されても、憎めない天真爛漫さが印象的でした。

畠山重忠(演:中川大志)

「弓引いた過ちを悔い改め、恥を忍んで参陣つかまつりました」

石橋山の合戦では手違いから心ならずも三浦一族と交戦、ついには長老・三浦義明(みうら よしあき)を討ってしまった重忠。

彼を受け入れるか否かで、御家人たちはひと悶着を起こしますが、義明の嫡男・三浦義澄は大義のため私怨を捨てました。

大義のため、私怨を捨てた三浦義澄。菊池容斎『前賢故実』より

三浦義澄(演:佐藤B作)「……やつは父の敵だ。しかし今は忘れるつもりだ。そんなことより、大義のため畠山重忠という男が欠かせぬかどうかじゃ。違うか」

千葉常胤(演:岡本信人)「三浦殿、よくぞ申された」

ここで広常が「頼朝の考え、聞いてこいよ。俺たちはそれに従う」と紛議を収めたのですが、頼朝はその広常をさし措いて重忠に鎌倉入りの先陣を命じます。

頼朝「若くて見栄えのする方がよい。重忠にしなさい」

これでまたひと悶着起きるのですが、義時にとっては義村につぐ若く優秀なブレーンが仲間入りしたのでした。

北条時政(演:坂東彌十郎)

甲斐の武田信義(演:八嶋智人)へ使者に発ったものの、頼朝からの冷遇にやる気をなくしている時政。

義時「佐殿は父上を買っておられるのです。期待に応えましょう」

……すぐ後に使者の任務は誰でもよかったことが判明、重ねてがっかりさせられます。

複雑な心境の北条時政(イメージ)。『武者鑑』より

頼朝の側近として活躍する義時の成長ぶりを素直に喜べない複雑な心境が、しみじみと演じられていました。

そんな時政の様子に感づいて、妻のりく(演:宮沢りえ)は不満な様子を表し始めます。後に鎌倉幕府を揺るがした悪女の片鱗を、そろそろ見せ始めるかも知れません。

ともあれ時政の復活?に期待したいところですが、さてどうでしょうか。

梶原景時(演:中村獅童)

石橋山の合戦で頼朝を破ってからたった一ヶ月半で完全に逆転されてしまった大庭景親(演:國村隼)を見限り、決別した梶原景時。

義時の依頼を受けて女物の装束を用立てる代わり、投降の仲立ちを依頼しました。

景時「しかしよい折であった。某、大庭殿とは袂を分かったところ」

義時「なんと!」

景時「粗暴な男は苦手でな」

……この「粗暴な男」と聞くと、野武士を騙し討ちにし、里芋を握り箸で突き刺した義経を思い出します。

義経と景時の対立。歌川国芳「源義経梶原逆櫓争論図」

後に義経と対立し、讒訴によって破滅に追い込む未来を暗示しているようなセリフでした。

終わりに

挙兵から二ヵ月弱、鎌倉入りに際して。

義村「何を考えてる」

義時「この様子、兄上に見せたかった」

また政子たちを迎えに来たとき。

義時「全て兄上の思い描いたとおりに進んでおります」

政子「鎌倉は、住みよい所だと聞いています。これからは、いいことしか起きないような気がする」

義時「……そうなるよう努めます」

かくして鎌倉入りを果たした義時たち。第1回で「平家をぶっつぶすぜ!」と意気込んでいた亡き兄・北条宗時(演:片岡愛之助)の面影を目にうかべたことでしょう。

政子に嫉妬する亀。彼女と頼朝の関係が、後に大騒動を惹き起こす(イメージ)

しかし全成(演:新納慎也)の占い(家族の縁薄く、主は不慮の死を遂げる)や政子を睨む(演:江口のりこ)の視線など、前途多難な様子。

京都からは平家の追討軍も迫っており、武田信義との連携が鍵となるのですが……果たしてどうなるのでしょうか。

3月6日(日)放送の第9回「決戦前夜」、楽しみですね!

※参考文献:

『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 前編』NHK出版、2022年1月 『NHK2022年大河ドラマ 鎌倉殿の13人 完全読本』産経新聞出版、2022年1月

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

「「鎌倉殿の13人」まさかのコミカル展開(笑)今日からお前らみんな武衛だ!第8回「いざ、鎌倉」振り返り」のページです。デイリーニュースオンラインは、北条義時鎌倉殿の13人源頼朝大河ドラマカルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る