肉眼で見える巨大細菌が発見される。なんと1円玉サイズの最大2cm
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細菌(バクテリア)は顕微鏡じゃないと見えないほど小さいものが一般的だが、このほど、史上最大の細菌が発見されたそうだ。
なんと全長2センチにも成長する。ということは1円玉の直径に匹敵する長さだというのだから驚きだ。
この細菌にはいくつもの奇妙な特徴があり、単純な細胞から複雑な生物への進化の狭間にあるミッシングリンクを思わせるという。
・最大2cmの巨大細菌を発見
ほとんどの細菌は1~5マイクロメートル(1マイクロメートル = 0.001ミリ)程度の大きさだ。
これまで知られていた最大種は「チオマルガリータ・ナミビエンシス(Thiomargarita namibiensis)」で、750マイクロメートル(0.75ミリ)だった。
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これまで最大の細菌とされていた、チオマルガリータ・ナミビエンシス / image credit:WIKI commons
しかし今回発見された新種は、全長は平均9000マイクロメートル(0.9センチ)で、最大の2センチにまで成長するのだ。単細胞生物であるというのに、1円玉の直径とほとんど同じ長さだ。
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image credit:Jean-Marie Volland et al., biorxiv(2022)
・これまでの細菌の概念を覆す
そのとんでもない大きさは、細菌の大きさに関するこれまでの科学の常識をくつがえすものだ。
従来の常識では、細菌の大きさは、それが環境と交換している分子が移動できる距離に制限されるとされていた。栄養が細胞膜の内へ入ってこれず、かつ毒素が外へ出ていけなければ、生きていけないからだ。
では今回の巨大細菌はどうやってそれをやっているのだろう?
実はこの細菌の体の73%は水が入った袋でできており、これが細胞内容物を外膜に押し付けている。このおかげで、重要な分子は膜の全幅を移動する必要がないのだ。
これは細菌界の前記録ホルダー「チオマルガリータ・ナミビエンシス」と同じ仕組みだという。
こうした共通点や、遺伝子解析から明らかになったほかの特徴から、今回の新種はチオマルガリータ・ナミビエンシスと同属と考えられており、「チオマルガリータ・マグニフィカ(Thiomargarita magnifica)」との名称が提案されている。
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image credit:Jean-Marie Volland et al., biorxiv(2022)
・「原核生物」と「真核生物」の境界が曖昧に
「チオマルガリータ・マグニフィカ」が最初に発見されのは10年前のこと。カリブ地域の湿地に生えるマングローブの朽葉の中で、白い糸のような姿を成長させていたのだ。
しかし当時、単細胞生物ではあるが、まさか細菌だとは想像だにされなかった。その後詳しく分析が行われたことで、ようやく最近になって細菌の仲間であることが判明したのである。
大きいのは体だけではない。ゲノムもまた巨大で、1100万個の塩基と1万1000個の遺伝子で構成されている。
これはほとんどの細菌の3倍の大きさだ。詳しい調査からは、チオマルガリータ・マグニフィカのゲノムには繰り返しが多く、ある配列のコピーが50万個以上あることが明らかになっている。
さらに奇妙なことに、そのDNAは膜のふくろの中に収められている。一般に、これはもっと複雑な生き物の特徴だ。
普通の細菌のDNAは細胞の中を自由に漂っている。こうした特徴は「原核生物(原始的な細胞核を持つ生物)」と「真核生物(核膜で囲まれた明確な核をもつ細胞を持つ生物)」の境界を曖昧にするものであるという。
この研究の未査読版はを現在『bioRxiv』(2022年2月18日投稿)で閲覧することができる。
References:Largest bacterium ever discovered is longer than a housefly / written by hiroching / edited by parumo
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