高橋英樹インタビュー「今、興味があるのは悪役。善も悪も両方できてこそ初めて俳優だと思う」歴史を演じる【人間力】 (2/3ページ)

日刊大衆

青年の若々しさや勢いを表現するために、難しい言葉が並ぶ膨大な台詞を、早口でしゃべることが要求されたのですが、あれはもはや“戦い”でしたね。

■長くない脚に感謝

 ただ、この作品以降、たくさんの時代劇に出演させていただけるようになりました。織田信長をはじめとする実在の人物、そして鞍馬天狗や桃太郎侍などの架空の人物を80役くらい演じました。

 歴史上の人物を演じるときは、その人物について、できる限り勉強します。本を読み、歴史家など専門の方からお話をうかがい、その人物が生きた土地に行って空気や太陽の光を自分の中に取りこみます。

 そんなことを続けているうちに、私は歴史の面白さに魅了され、すっかりトリコになりました。そこから、お城、刀、書と興味の範囲が広がっていき、人生が豊かになったと感じています。だから、長くない脚に感謝しなければいけませんね(笑)。

 日本の「芸」の歴史を知ることも、とても面白いですね。2020年から、NHKで『にっぽんの芸能』という番組の司会をやらせていただいています。毎週、いろいろな古典芸能を分かりやすく紹介する番組なんですが、これがもう非常に楽しい! 

 名人の方がスタジオに来てくださったり、若手の芸が見られたりと、私にとっては趣味と実益を兼ねた素晴らしいお仕事なんです。

 古典芸能も、歴史も、知れば知るほど興味深く、もっと知りたくなる。もう、キリがありませんね(笑)。

 その一方、俳優として今、興味があるのは“悪役”です。『桃太郎侍』など、正義の士は数多くやらせていただいて来ましたが、正義が際立つのは良い悪役がいてくれてこそ。

 私は、善も悪も両方できてこそ初めて“俳優”だと思っています。そういう意味でも、今の私だからできる悪役というのは、今後やってみたい役の一つ。

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