「平和」という名を背負い続けて76年 改めて知っておきたい「Peace」が愛される理由 (5/6ページ)
試作品から選ぶ作業もそうですし、その国にとって色と形を大事にするデザインの出し方は、日本専売公社のデザイン担当者にも勉強になったそうです」(鎮目さん)
こうして1952年4月、ピースは装いを新たにした。
懸念されていたデザイン料の請求は、当初180万円。総理大臣の月給が8万円だった時代であるのを考えるととんでもない金額だ。
「180万円という金額はラッキーストライクのデザイン料の6分の1だったといいますから、ローウィとしては相当まけてやったつもりだったのでしょう。ただ、当時はデザインにお金をかける感覚がなかったので、さすがに満額は出せない。そこでカートン用の包装を使わず、最終的に150万円で落ち着きました。それでも高額なのは変わりないですから、当時の国会でも問題になっています。しかし、多少の改良があるとはいえ、今でもこのデザインを使っていると考えれば安いものです。しかも、パッケージが新しくなって売り上げも3倍になりました」(鎮目さん)

ピースの新パッケージはデザインが重視されていない時代に、商業デザインの重要性を世に示す役割を果たしたのだ。そしてこの出来事は、若手のデザイナーに夢を与えたという。
ピースの未来平和への思い、味と香り、そしてデザイン。1つ1つへのこだわりによってピースは「最高級品」のイメージを確立することに成功し、贈り物や特別なときの1本、さらには記念たばこへの起用など、時代が変化していく中でも高級品としての役割を果たし続けてきた。