「小学校から帰る電車で、突然込み上げてきた吐き気。車内を汚して泣く私に、着物姿の女性客が...」(東京都・60代女性) (2/3ページ)
その時、私の斜め前に座っていた着物姿の女性が駆け寄ってきて、きれいなハンカチで私の顔を拭いてくれ、仁丹を飲ませてくれたんです。
また、別の男性は読んでいた新聞紙で私が吐いた場所を覆ってくれました。
「ずっと注意して見てたんですよ」目的地の3駅前で着物の女性に付き添われて電車を降り、ホームのベンチで休んでいると少し気分が良くなってきました。

その間、女性は汚れた私の制服のスカートを拭いてくれたり、おでこに濡らしたハンカチを当ててくれたりしながら、
「電車であなたを見たときから具合が悪いのはすぐわかったので、ずっと注意して見てたんですよ。お友達におうちに電話してくれるよう頼んだから大丈夫ですからね」
と優しく話しかけてくれました。その後、慌てて迎えに来た母を確認すると
「お大事にね」
とおっしゃり、再び電車に乗って行かれました。
誰にでもできる親切ではない着物姿できれいな方だったので、彼女はおそらくどこかへお出掛けされる途中だったのでしょう。吐きもどしたものでご自分の着物も汚れてしまうかもしれないのに、見ず知らずの小学生を助けるなんて、誰にでもできる親切ではないと思うのです。
当時は駆けつけた母も慌てていたため女性にろくにお礼も言えぬまま。その後通学途中でお会いできたら、と私も駅や電車内で似たような方を探しましたが、二度とお会いできることはありませんでした。